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ロンドンの上級エンジニアが「旅行を捨てて75万円を溶かす電話一本」で月1200万円。需要に飛び込む起業の光と闇

7 min read2026年4月8日
ロンドンの上級エンジニアが「旅行を捨てて75万円を溶かす電話一本」で月1200万円。需要に飛び込む起業の光と闇

ビジネス概要

事業タイプ

SaaS

規模感

月の継続売上が約900万円規模($62,000、2025年12月末時点)

概要

AIでネタ集めから執筆・デザイン・予約投稿までを一つの流れにまとめ、個人の発信と個人ブランドづくりを続けられる作業場を提供する。

ターゲット

SNSで継続的に発信したい個人クリエイターの本人

主な打ち手

拡張機能の段階で数万人規模の利用者がいる状態から、需要が見えているプロダクトを「全部入りの作業場」に作り直して提供した。

30秒で分かる

1ロンドンの上級エンジニアが、月約1,200万円規模へ。

Kleoが月約900万円規模($62,000)

別サービスMentionsが月約290万円規模($20,000)

外からは順風満帆に見える。

2先に「動ける生活」に変えた。

上級エンジニアの仕事をやめた。

部屋を引き払い実家に戻った。

チャンスに即反応できる状態にした。

3勝負の種は拡張機能にあった。

地元の知り合いが作ったKleoが出発点。

最初は小さなChrome拡張機能だった。

作り直し前から利用者は数万人規模。

4電話一本で予定を捨てた。

旅行を取りやめ約75万円規模($5,000)を失った。

それでも参加を決めた。

すでに需要の手応えがあったから。

5役割が噛み合い、作り直せた。

作る人が、勢いを仕組みに変えた

広める人が、伸ばし方を知っていた

使う側で成果を出した人も加わった

拡張機能を「発信の作業場」に変えた。

6本質は「先に需要、次に実行」。

ゼロから当てにいく話ではない。

数万人の利用という合図が先に出ていた。

そこへ実行できるチームが飛び込んだ。


ストーリーの流れ

Growth

Kleoは月の継続売上が約900万円規模($62,000)に達したと報じられた。

月の継続売上が約900万円規模($62,000)KleoのMRR規模
  • 外から見ると順風満帆に映る数字である。
Monetize

トリューが共同創業した別サービスMentionsも月約290万円規模($20,000)とされた。

月約290万円規模($20,000)MentionsのMRR規模
合計で月約1,200万円規模($82,000)2サービス合算MRR規模
  • Kleoと合計で月約1,200万円規模($82,000)になると記述されている。
Insight

この成長は派手な資金調達でも完璧な計画でもない始まり方だった。

  • ロンドンで上級エンジニアとして働いていた男が生活を組み替えたところから話が始まる。
Problem

トリューは誰かの会社のためではなく自分にとって意味のあるものを作りたいと思うようになった。

  • 昇進の喜びはすぐに消えたと述べられている。
Action

トリューは部屋の契約を終えて両親の家に戻り、いつでも動ける状態を作った。

  • 見栄えのいい暮らしを手放して時間と集中を手に入れた。
Insight

Kleoはワードが自分の悩みを解決するために作った小さなChrome拡張機能から始まった。

  • ネタが集まらない、書き続けられないという悩みが出発点だった。
Growth

作り直し前の段階でKleoは利用者が数万人規模になっていたとされている。

利用者は数万人規模作り直し前の利用規模
  • 6万人という記述もあれば7万人以上という記述もある。
Growth

ワードはこのツールを使って発信を伸ばし、10か月足らずでフォロワー10万人に届いたと話している。

10か月足らずでフォロワー10万人創業者の発信成長
  • 自分で使って結果が出たという事実がほかの人への説得力になった。
Team

トリューがKleoに加わった決定打は面接でも資料でもなく一本の電話だった。

  • 旅行中に連絡を受けて話を聞いたその場で予定を取り消した。
Action

トリューは予約などのキャンセルで約75万円規模($5,000)の損を受け入れて参加を決めた。

  • 派手な計画があったからではなくアイデアとチームを信じたからだと述べられている。
Insight

トリューの参加は完全なゼロからの賭けではなく、すでに需要の手応えがあった。

  • Kleoにはすでに数万人の利用者がいて、ワードは設計図と勢いを持っていた。
Team

Kleoの共同創業者として4人の名前が挙がり、役割がはっきり分かれて噛み合っていた。

共同創業者として名前が挙がるのは4人共同創業者数
  • ワード、アコスタ、ホフマン、トリューがそれぞれ作る力と広める力を担った。
Insight

ホフマンはLinkedIn投稿を軸に複数の事業を伸ばした経験があり「どう広めるか」を知っていた。

  • 運営していた代理店は月約4,400万円規模($300,000)を超えたとも言われる。
Insight

アコスタはもともとKleoの利用者で、使う側として成果を出した人が創業側に加わった形だ。

  • Kleoを使いこなすことで毎週のように拡散される投稿を書けるようになったという。
Action

新しいKleoは拡張機能を作り直し、発信を続けるための全部入りの作業場を目指した。

  • ネタ集め、執筆と編集、デザイン、公開、知識と文体をひとつの流れにまとめた。
Growth

取材記事では2025年12月末時点でKleoが月約900万円規模($62,000)の継続売上に達したとされた。

2025年12月末時点売上到達時点
月約900万円規模($62,000)の継続売上KleoのMRR到達
  • Mentionsも月約290万円規模($20,000)とされ、短期間で2つの黒字事業に関わった人物として紹介された。
Growth

Kleoは「1,205人のクリエイターに愛されている」と記した資料もある。

  • これが有料利用者なのかアクティブな利用者なのかははっきりしないとされている。
Insight

この賭けの本質は「先に需要、次に実行」だった。

  • 需要が見えた道具に広める力と開発力が合流し、勢いをプロダクトに変えた。

月の継続売上が約900万円規模($62,000)。さらに別サービスも約290万円規模($20,000)で、合計は月約1,200万円規模($82,000)——Kleoをめぐる数字は、外から見ると順風満帆に映る。

だがその裏側にあったのは、派手な資金調達でも、完璧な計画でもない。ロンドンで上級エンジニアとして働いていた男が、生活を組み替え、「いつでも飛び込める状態」を作ったところから話は始まる。

そして決定打は、面接でも資料でもなく、一本の電話だった。旅程を捨て、約75万円規模($5,000)の損を受け入れてまで選んだのは、すでに需要の芽が出ていたプロダクトと、息の合うチームだった。

イギリスのエンジニアがKleoに飛び込んだ話

2025年の終わりごろ、イギリスでエンジニアとして働いていたキャメロン・トリューは、一本の電話をきっかけに人生のハンドルを切った。

電話の相手はジェイク・ワード。同じ地元で育った知り合いだ。「特別なものを一緒に作れると思う」——ワードはそう言った。

その話の中心にあったのが、AIを使って文章づくりと個人ブランドづくりを支援するサービス、Kleoだった。のちに取材記事で、Kleoの月の継続売上は約900万円規模($62,000)に達したと報じられる。さらにトリューが共同創業した別サービスMentionsも月約290万円規模($20,000)とされ、合計で月約1,200万円規模($82,000)になる。

ただ、この成長は「いいアイデアを思いついて、作って、売れた」という単純な話ではない。もっと泥くさくて、もっと現実的な始まり方をしている。

13歳のころから、作る側にいた

トリューは13歳でプログラミングを始めた。寝室でゲームの非公式サーバーを立て、動く仕組みを自分の手で作っていた。

大学ではコンピュータサイエンスを学び、卒業後は6年間ソフトウェアエンジニアとして働いた。スタートアップも大企業も経験した。

仕事の中身は地味だが確かな力になる。小さな部品を組み合わせる設計、イベント駆動の仕組み、Kubernetesの運用、ログイン認証、ログの扱い。こうした「裏側」を積み上げた経験が、のちに大きな武器になる。

26歳のころ、トリューはロンドンのカナリー・ワーフで暮らし、リモートで働く上級エンジニアになっていた。外から見れば申し分ない成功だ。

しかし本人の中では、別の気持ちが育っていた。昇進の喜びはすぐに消えた。誰かの会社のためではなく、自分にとって意味のあるものを作りたい——そう思うようになっていった。

「夢の仕事」を捨てて、実家に戻った

トリューがやったのは、新しい発明ではない。生活を作り直すことだった。

部屋の契約を終えて両親の家に戻り、見栄えのいい暮らしを手放して時間と集中を手に入れた。貯金を切り崩す不安はある。それでも「自分なら道を作れる」と賭けた。

この決断で、トリューはいつでも動ける状態になった。チャンスが来たら迷わず飛び込める状態だ。

Kleoは、最初は小さなChrome拡張機能だった

Kleoは最初から立派な会社だったわけではない。始まりは、ワードが自分の悩みを解決するために作った小さなChrome拡張機能だった。

悩みはシンプルだ。「ネタが集まらない」「書き続けられない」——そこでワードは、ウェブで見つけたアイデアを保存して文章づくりを助けるツールを作った。するとそのツールが自然に広まり、作り直し前の段階で利用者は数万人規模になっていたとされている(6万人という記述もあれば、7万人以上という記述もある)。

ワード自身もこのツールを使って発信を伸ばし、10か月足らずでフォロワー10万人に届いたと話している。「自分で使って結果が出た」という事実が、ほかの人への強い説得力になった。

電話一本で、予定を捨てた

トリューがKleoに加わったきっかけは、紹介資料でも面接でもない。一本の電話だった。

旅行中のトリューにワードから連絡が入り、話を聞いたトリューはその場で予定を取り消した。予約などのキャンセルで約75万円規模($5,000)の損が出たとも語られている。

それでも参加を決めたのは、派手な計画があったからではない。アイデアとチームを信じたからだ。

しかもこれは、完全なゼロからの賭けではなかった。Kleoにはすでに数万人の利用者がいて、需要の手応えがあった。ワードは設計図と勢いを持っていた。トリューが加われば、それを「ちゃんとした大きなプロダクト」に作り直せる——そういう勝負だった。

「作る人」と「広める人」がそろったチーム

Kleoの共同創業者として名前が挙がるのは4人。

  • ジェイク・ワード
  • ララ・アコスタ
  • ロブ・ホフマン
  • キャメロン(カム)・トリュー

このチームの強みは、役割がはっきり分かれていて、しかも噛み合っていたことだ。

ホフマンはワードとともにLinkedIn投稿を軸に複数の事業を伸ばした経験があり、運営していた代理店は月約4,400万円規模($300,000)を超えたとも言われる。つまり「どう広めるか」を知っていた。

アコスタはもともとKleoの利用者だった。ネタ探しに追われていた状態から、Kleoを使いこなすことで毎週のように拡散される投稿を書けるようになったという。「使う側として成果を出した」人が、創業側に加わった形だ。

そしてトリューは、需要のある土台と設計図を実際に動くプロダクトへ変える役割を担った。勢いを仕組みに変える役だ。

拡張機能から「全部入りの作業場」へ

新しいKleoが目指したのは、文章の補助ツールではない。「発信を続けるための作業場」だった。

ふつうなら別々のアプリでこなすことを、ひとつの流れにまとめる。

  • ネタ集め:ウェブ上のどこからでも参考を保存できる
  • 執筆と編集:会話のように下書きを作り、整える
  • デザイン:投稿に合わせたシンプルな画像を作れる
  • 公開:同じ場所から予約投稿までできる
  • 知識と文体:その人の情報や書き方を覚え、発信がぶれにくくなる

ここまでやるなら、小さな修正では足りない。だから「作り直し」になった。拡張機能の人気をプラットフォームへと変える挑戦だった。

月6万2,000ドルの継続売上へ

取材記事では、2025年12月末時点でKleoが月約900万円規模($62,000)の継続売上に達したとされる。Mentionsも月約290万円規模($20,000)とされ、トリューは短期間で2つの黒字事業に関わった人物として紹介された。

また、Kleoは「1,205人のクリエイターに愛されている」と記した資料もある。ただし、これが有料利用者なのか、アクティブな利用者なのかははっきりしない。一方、作り直し前に数万人が使っていたという点は複数の情報で共通している。

この賭けの本質は「先に需要、次に実行」

トリューの動きは、「ゼロから当てにいく」起業とは少し違う。

まずワードが、自分の困りごとから道具を作った。その道具が自然に広まり、需要が見えた。ワードとホフマンは発信で事業を伸ばす方法を知っていた。アコスタは利用者として結果を出していた。

そこにトリューの開発力が加わり、勢いをプロダクトに変えた。

つまり、勝ち筋はAIだけではない。大事だったのはこの3つだ。

  • 書き続けられない、というはっきりした悩み
  • 創業者側に「広める力」があったこと
  • 需要のあるものを速く作り直して届ける技術力

まとめ

トリューは快適さを捨て、動ける状態を作った。上級エンジニアの仕事をやめて実家に戻り、数万人が使う道具を作り直す勝負に乗った。旅行の予定を捨て、約75万円規模($5,000)の損を受け入れてでも、チームと勢いを選んだ。

Kleoは、ひとりのクリエイターのための小さな拡張機能から、ネタ集め・執筆・デザイン・予約投稿までをまとめた「発信の作業場」へと変わった。

この話が教えるのは、機能の多さや資金調達よりも、「需要の合図が出ている場所に、実行できるチームが飛び込む瞬間」が事業の分かれ道になることがある、ということだ。