初日で月間継続売上(MRR)が約15万円($1,000)。そこから半年で約350万円($23,000)まで伸びたSaaSがある。
ただ、その裏側は「最初から勝てるアイデアを引き当てた」話ではない。解雇を経験し、2年半で5つのプロダクトを作り、5つとも失敗。売上の合計はゼロだった。
それでも途切れなかったのが、Xへの投稿だった。なぜ投稿から仕事が生まれるのか。その構造を分解し、再現できる形にした先に生まれたのがSuperXだ。
失敗から生まれたSaaS、SuperX
ロブ・ハラムは、最初から当たりのアイデアを引き当てた起業家ではない。むしろ逆だ。会社を解雇され、その後2年半でオンラインプロダクトを5つ作ったが、すべて失敗。売上の合計はゼロだった。
お金の不安が膨らみ、受託開発の仕事も始めた。そこで、思いがけない事実に気づく。
仕事のチャンスも有料の依頼も、なぜかXの投稿から来ていたのだ。
ハラムは、それを「たまたま運がよかった」で終わらせなかった。なぜ投稿から仕事が生まれるのかを分解し、再現できる形に落とし込み、最終的にはプロダクトへと変えた。
こうして生まれたのが、SaaSのSuperXだ。
SuperXは2025年7月に公開。初日からMRRが約15万円($1,000)に達し、2026年初めにはMRRが約350万円($23,000)まで伸びた。月額約6,000円($39)で約650人が利用し、毎月20〜25%のペースで成長していたという。
普通の道から始まり、解雇で道が変わった
ハラムのスタートは、ごく一般的なキャリアだった。大学でコンピュータサイエンスを専攻し、ソフトウェアエンジニアとして就職する。
ところが、最初の職場で解雇された。
ただ、ハラムにとってそれは「終わり」ではなかった。会社員の道を続けるより、自分の力で何かを作る方向へ進む決心が固まった。
2年半で5回作って、5回とも失敗
そこからの2年半は厳しかった。オンラインプロダクトを5つ作ったが、どれもうまくいかない。売上はゼロのままだった。
それでも、1つだけやめなかったことがある。作っているものや試していることを、Xに投稿し続けたことだ。
うまくいかなかった理由も、小さな前進も、そのまま書き続けた。すぐにお金にはならなかったが、時間が経つにつれて少しずつ読者が増え、反応を見ながら考えを修正できるようになっていった。
バズがきっかけで、最初の収益が生まれた
転機は、ある投稿が一気に広まったときだった。
「何がすべてダメだったのか」をまとめた投稿が、20万回も表示されるほど拡散した。
重要なのは、数字の大きさだけではない。コメント欄で誰かがこう言った。
「開発の代理店をやったらどう?」
ハラムは迷わなかった。翌日、代理店を始めると宣言すると、そのバズ投稿をきっかけに約45万円規模($3,000)の顧客を獲得。その後もX経由で仕事の依頼が入り続けた。
ここで、はっきりしたパターンが見えてくる。
Xの投稿は、日記でも宣伝でもなく、仕事と顧客を呼び込む入口になっていた。
「たまたま」をやめて、再現できる仕組みに変えた
受託開発で生活を支えながら、ハラムは別の作業も進めた。
自分の投稿が読まれ、広まり、仕事につながる流れを、毎回のひらめきに頼らず再現できるようにしたかったのだ。
そこで、投稿を作る流れを道具と手順に落とし込んでいく。
- 投稿のネタを見つける方法
- 読まれやすい形に整える方法
- 多くの人に届く確率を上げる考え方
この「自分のための道具」が、あるとき別の意味を持ち始める。
同じ悩みを持つ人は他にもいる。なら、この仕組みはプロダクトとして売れるかもしれない。
狙いは「SNS全般の伸ばし方」ではなく、Xに絞ること。Xでの成長を、運ではなく構造で実現することだった。
共同開発でSuperXを公開
SuperXはハラム1人で作ったわけではない。ティボ・ルイ=リュカと組み、2人で開発した。
2025年7月に公開すると、初日でMRRが約15万円($1,000)に到達した。
このスタートは、プロダクトだけが優れていたからではない。ハラムはすでに、Xの投稿から受託の仕事が生まれることを自ら証明していた。その流れの上にSaaSを乗せた。何もない場所に投げ込んだのではなく、すでに流れがある場所に置いたのだ。
公開しながら伸びていった
SuperXの成長は、ハラム自身のX投稿でも継続的に共有された。外部サイトが投稿をまとめ、売上の節目として紹介した例もある。
大きな節目の1つが2025年10月20日。MRRが約150万円($10,000)を超え、約160万円($10,500)に達したと報告された。公開からおよそ4か月での到達だ。
半年でMRR 23,000ドルへ
2026年2月初めに掲載されたプロフィール記事では、公開から6か月でMRRが約350万円($23,000)に達したと紹介された。そこで語られた数字はこうだ。
- MRR:約350万円($23,000)
- 有料利用者:約650人
- 料金:月額約6,000円($39)
- 月ごとの成長率:約20〜25%
単純計算では650人×月額約6,000円($39)で約390万円($25,000)になるが、公表値の約350万円($23,000)との差は、割引・解約・年払いの扱いなどで生じうる。確実に言えるのは、本人がMRR 23,000ドルと約650人を公表しているという点だ。
この話の中心は「開発力」より「配信経路」
このストーリーは、「急にエンジニアとして覚醒して成功した」という話ではない。
5回の失敗の後、ハラムが見つけたのは、すでに動いていたレバーだった。Xでの投稿であり、そこから生まれる問い合わせだった。
流れをまとめるとこうなる。
- プロダクトを作ったが売れなかった
- それでも作る過程をXで投稿し続け、読者が増えた
- バズ投稿から受託の仕事が生まれ、収益が出た
- 投稿が顧客獲得の入口だと気づいた
- 投稿を再現できる仕組みにする道具を作った
- その道具がSuperXになった
SuperXは「Xを伸ばすツール」でもあるが、それ以上に「すでに結果が出ていた経路を中心に組み立て直したビジネス」だった。
一夜の成功に見えて、積み上げの上にある
2026年初めの時点で、ハラムは世界を旅しながらSuperXを運営しているとも語られている。受託で食いつなぐ段階から、継続課金の収益モデルへと移行した。
初日でMRR約15万円($1,000)、半年でMRR約350万円($23,000)。数字だけ見ると派手だ。
しかしその前に、2年半にわたって失敗を公開し続けた時間がある。表では「急に成功した」ように見えても、実際は積み上げが先にあった。
ハラムの強さは、失敗しても作り続けたことだけではない。すでに機能していたものを見つけ、それを中心にビジネスを組み直したことにある。
情報の出どころ
MRR 23,000ドル、有料利用者約650人、月額39ドル、公開時期が2025年7月、5回の失敗と売上ゼロという話は、2026年2月初めに掲載されたプロフィール記事に基づく。2025年10月のMRR 10,500ドルという節目は、X投稿を集めた外部サイトのまとめに基づく。外部サイト側は正確性を保証しないとしているが、全体の成長の流れとは大きく矛盾しない。
