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「欲しいと言わないと、何も始まらない」15歳の交渉で人生が動いた話

8 min read2026年2月18日
「欲しいと言わないと、何も始まらない」15歳の交渉で人生が動いた話

ビジネス概要

事業タイプ

SaaS

フェーズ

売却後

規模感

買い切りプランで1週間で大きな売上

概要

見出しの型をもとに、見出し文を自動生成するサービス

ターゲット

商品の紹介ページなどのコピーを書いて販売したい事業者・マーケター

主な打ち手

運営側に直接連絡して新しいAI技術の早期アクセスを取り付け、サービスをAI中心に作り替えた

ストーリーの流れ

Problem

欲しいものがあっても断られるのがこわくて言えず、挑戦の最初の一言で立ち止まりやすいという問題がある。

  • 言わなければ手に入らないことが多いという現実がある。
Insight

「欲しい」と口に出せば交渉が始まり状況が変わるという学びを得た。

  • 15歳のときに母の職場のウェブ制作を手伝う話で「ノートパソコン代の半分を出してほしい」と頼んだ。
  • 手打ちHTML中心の作業に何百時間もかかったが最後にパソコンを手に入れた経験が残った。
Insight

作ったものが売れれば短い時間の努力が現金になるという感覚をつかんだ。

  • 16歳で自分で作ったウェブサイトが売買されている世界を知った。
  • 売れそうな分野を選んで形にして出すと本当に売れた。
  • 時給で時間を切り売りする働き方とは違う強さを早い段階で知った。
Insight

デザインは見た目ではなく成果に結びつく理由を言語化できると強くなると理解した。

  • フロントエンドや成約率を上げるためのページ作りに関わったインターン経験が転機になった。
  • なぜこの形や文章の順番が売上につながるのかを説明できると結果を出す人になれると腹落ちした。
Monetize

成果を根拠に単価の引き上げを要求し受け入れさせた。

時給20ドル(約3,000円)→時給75ドル(約1.1万円)単価引き上げ
  • 商品の紹介ページ作成を時給20ドルで続けていたが、成果が出ているので上げるべきだと考えた。
  • 周りに止められても時給75ドルを要求し、ページが売れていたこともあり最終的に受け入れられた。
Insight

環境と仲間の存在が短期間で作って伸ばす行動を後押しした。

  • 2016年にオランダでの仕事をいったん終えアジアを旅し、バリ島で起業家や個人開発者とつながった。
  • コワーキングスペースで毎週集まり進捗を見せ合い遠慮のない批評や助言をもらえる場があった。
  • 感染症の流行で観光客が減った時期も島に残った少人数の開発者たちが新しいサービスを作り続けた。
Action

PDFの「見出しの型」をソフトに育て買い切りプランで販売した。

  • 最初はただのPDFとして始めたが型を使って見出し文を自動で作り変えるソフトに発展させた。
  • 買い切りプランを出すと1週間で大きな売上が立った。
Action

新しいAI技術の早期アクセスを運営側に直接求めてAI中心に作り替えた。

  • 多くの人が一般公開を待つ中で運営側に連絡し早期アクセスを求めた。
  • 結果として早く使えるようになりサービスをAI中心に作り替えた。
  • 成長スピードが一気に上がった。
Monetize

成長の勢いの中で買収提案を受けHeadlimeを売却した。

  • 伸び始めたタイミングで大きな買収提案を受けた。
  • バリ島で過ごした数年の間に結果を出して売る起業家になった。
Problem

売却後の気楽な生活の中で、作っていない退屈さが出てきた。

  • 結婚してバリ島で暮らし生活は楽しかったが次第に物足りなくなった。
Insight

AI画像生成がアート中心で使われている状況に対して実用用途の余地を見た。

  • SNSのプロフィール写真のような用途にもっと実用的に使えるのではないかと考えた。
Action

プロフィール画像を作るサービスを短期間で公開しSNSで話題化させた。

  • 新しく公開された技術を使い同分野の友人とも情報交換しながら進めた。
  • 短期間で公開するとSNSで話題になり大きく売れた。
Problem

強い競合の参入で広告で広げるアプリ型がシェアを取り利益が削られた。

  • 市場が加熱し広く浅く戦うだけでは不利になった。
Action

広く浅くではなく狙いを絞り専門性と自前の仕組みで戦う方針に切り替えた。

  • 写真館で撮ったようなリアルな写真を作るHeadshotProを立ち上げた。
Insight

人物写真は将来「必ず撮影しないといけないもの」ではなくなるという見立てを置いた。

  • 実際の撮影は費用がかかり緊張で表情が固くなりやすいという負担がある。
  • オンラインで十分な品質が作れれば負担が大きく減ると考えた。
Growth

学習の仕組みを自分たち用に作り込みリアルさ重視でSNS拡散と売上拡大につなげた。

  • 安定した画像生成技術を土台にしながら学習の仕組みを自分たち用に作り込んだ。
  • SNSに出すと再び一気に広がり発売直後から大きな売上が出てそのまま拡大した。
Insight

売れるかどうかはSNSのクリック後にどれくらい行動するかという数字で判断した。

  • 投稿からサイトに来た人が申し込みや購入につながる割合を強く見ていた。
  • HeadshotProは特に数字が良く勝てると確信できたという。
Team

燃え尽きを避けるため早い段階でチーム作りに慣れるべきだと考えるようになった。

  • 過去に疲れ切って長い休みが必要になった経験があり、その後人を雇うことを受け入れた。
  • 全部を一人で抱えないことで起業家としての自由度が上がり長く走れると捉えた。
Scale

時間を売る働き方から離れ自動で回る仕組みで収益が生まれる形を目指した。

  • 仕組みが整えば休んでも事業が止まりにくいと考えた。
  • 働いた時間だけお金になる形から仕組みで収益が生まれる形へ移ることで生活の不安定さを減らせるとした。
Insight

自分で上限を決めず必要なものを聞きにいき頼み交渉し新技術に早く触れにいく姿勢を貫いた。

  • その積み重ねが短期間で二度の大きな成功につながったという結論に至った。

欲しいものがあるのに、断られるのがこわくて言えない。挑戦したいのに、最初の一言が出なくて立ち止まってしまう。そんな感覚に覚えがある人は多い。

オランダ出身の起業家ダニー・ポストマも、もともとはバリ島で働く「よくいるデジタルノマド」の一人だった。けれど数年後、AIを使ったサービスを形にして大きな金額で売却し、その2年後には別のAI写真サービスでも発売直後から大きく売るところまでたどり着く。

特別な才能の話ではない。言うべきことを口にし、動き、積み上げた。その最初のスイッチが、どこにあったのか。

「欲しい」と言わないと、世界は動かない

欲しいものがあるのに、頼むのがこわくて言えない。断られるのがいやで、最初からあきらめてしまう。そういう場面は誰にでもある。

でも現実はシンプルだ。言わなければ、手に入らないことが多い。

オランダ出身の起業家ダニー・ポストマは、そのことを人生で何度も証明してきた。AIを使ったサービスを素早く形にし、大きな金額で売却した。その2年後には、別のAI写真サービスを出して、発売直後から大きく売った。

今でこそ有名だが、2019年ごろのダニーは、バリ島で働く「よくいるデジタルノマド」の一人にすぎなかった。そこから数年で景色が変わったのは、特別な才能というより、「欲しい」と言って、動いて、積み上げたからだ。

パソコンの時間を「遊び」から「武器」に変えた

子どものころのダニーは、ゲーム機が欲しくて父に何度も頼んだ。なかなか許してもらえなかったが、誕生日にようやく手に入った。ダニーは夢中でゲームをやった。

そんなある日、父は一冊の本を渡す。CSSという、ウェブサイトの見た目を作る技術の本だった。

「そんなにパソコンを触るなら、役に立つことに使え」

父の狙いはそこだった。

ところがダニーは、プログラミングのほうにもハマった。作ったものが画面に出る。少し直すと、すぐ変わる。ゲームと同じくらい刺激があった。夜遅くまでサイトを作り続け、学校では得られなかった達成感を感じた。

学校自体は好きではなかった。ただ、興味のあることなら、いくらでも集中できた。

15歳、はじめて「交渉」でパソコンを手に入れる

15歳のとき、母の職場でウェブサイト作りを手伝う話が来た。ダニーはそこで、ただ働くだけにしなかった。

「ノートパソコン代の半分を出してほしい」

そう頼んだ。

作業は手打ちのHTMLが中心で、何百時間もかかった。それでも最後にパソコンを手に入れた経験は、ダニーの中に残った。

頼めば、状況は変わる。口に出せば、交渉が始まる。

16歳、ウェブサイトを売って「時間がお金になる」感覚をつかむ

次にダニーは、自分で作ったウェブサイトが売買されている世界を知る。大金ではないが、確かに売れる。

売れそうな分野を選び、とにかく形にして出す。すると本当に売れた。

短い時間の努力が、そのまま現金になる。アルバイトのように「時給で時間を切り売りする」感覚とは違った。ネットで何かを作ることの強さを、ダニーは早い段階で知った。

「かっこいい」より「成果が出る」デザインへ

ダニーは学び続け、2011年に卒業した。その後もコミュニケーション、デザイン、UX、メディアなどを学んだ。大学では、学んだことが仕事につながる実感があり、姿勢が変わった。

特に大きかったのは、フロントエンドや、成約率を上げるためのページ作りに関わったインターン経験だ。

そこで理解したのは、デザインは「見た目をきれいにする」だけではないということだった。

なぜこの形が売上につながるのか。なぜこの文章の順番なのか。理由を言葉で説明できると、仕事は強くなる。好みで作る人ではなく、結果を出す人になれる。

時給約3,000円($20)から約1.1万円($75)へ。「言ったもん勝ち」ではなく「言わないと負け」

ダニーは商品の紹介ページを作る仕事を、時給20ドル(約3,000円)で続けていた。やがて思う。成果は出している。なら、単価を上げるべきだ。

周りからは止められたが、ダニーは時給75ドル(約1.1万円)を要求した。

相手は高いと感じた。それでも、ページが売れていたこともあり、最終的に受け入れた。

ここでも答えは同じだった。言ってみなければ、上がらない。

バリ島で、人と環境が背中を押した

2015年に大学を終えるころ、ダニーにはウェブ制作、デザイン、文章、ビジネスの経験がそろっていた。仕事も順調だった。だが次の段階に進むには、力を一つの大きな挑戦に向ける必要があった。

2016年、オランダでの仕事をいったん終え、アジアを旅し始める。短い休みのつもりが、長い旅になった。

旅は、過去の経験もほどいていった。学校でいじめられて自信がなかった自分から、落ち着いて自分を出せる自分へ。環境が変わると、人は変わる。

バリ島では、短期間で次々とサービスを作る起業家とも出会った。コワーキングスペースで、個人でプロダクトを作る人たちともつながった。毎週集まって進捗を見せ合い、遠慮のない批評や助言をもらう。そんな場があった。

感染症の流行で観光客が減った時期も、少人数の開発者たちは島に残り、新しいサービスを作り続けた。ダニーもその輪の中で、後に大きく伸びる二つの事業を形にしていく。

1回目の大きな成功:Headlimeを売るまで

最初のヒットは、ロックダウンの時期に生まれた。最初はただのPDFだった。「見出しの型」をまとめただけの資料だ。

でもダニーはそこで止まらない。型を使って見出し文を自動で作り変えるソフトに育てた。買い切りプランを出すと、1週間で大きな売上が立った。

伸び始めたタイミングで、ダニーはさらに新しいAI技術に目を向ける。多くの人が一般公開を待つ中、ダニーは運営側に直接連絡し、早期アクセスを求めた。

つまり、ここでも「欲しい」と言った。

結果、早く使えるようになり、サービスをAI中心に作り替えた。成長スピードは一気に上がる。そして大きな買収提案を受け、Headlimeを売却した。

バリ島で過ごした数年の間に、ただの挑戦者だったダニーは、「結果を出して売る」起業家になった。

2回目の成功:HeadshotProで、もう一度勝つ

売却後のダニーは、しばらく気楽に過ごした。小さな挑戦もした。結婚してバリ島で暮らし、生活は楽しかった。

でも次第に退屈が出てくる。何かを作っていないと、物足りない。

そのころ気になっていたのは、AI画像生成が「アート」中心で使われていることだった。もっと実用的に使えないのか。たとえばSNSのプロフィール写真のように。

ダニーはプロフィール画像を作るサービスに取り組み始めた。新しく公開された技術を使い、同じ分野の友人とも情報交換しながら進めた。

短期間で公開するとSNSで話題になり、大きく売れた。だが市場には強い競合も入ってきた。広告で一気に広げるアプリ型サービスがシェアを取り、利益は削られていった。

そこでダニーは判断する。広く浅く戦うのではない。狙いを絞り、専門性で勝つ。しかも仕組みは自分たちのものにする。

こうして生まれたのが、写真館で撮ったようなリアルな写真を作るHeadshotProだった。

「撮影しない時代」が来ると見た

ダニーは、人物写真は将来「必ず撮影しないといけないもの」ではなくなると考えている。

実際の撮影はお金がかかるし、緊張で表情が固くなりやすい。オンラインで十分な品質の写真が作れるなら、負担は大きく減る。

ダニーは安定した画像生成技術を土台にしながら、学習の仕組みを自分たち用に作り込み、リアルさに重点を置いた。SNSに出すと、再び一気に広がった。発売直後から大きな売上が出て、そのまま拡大していった。

売れるかどうかは「クリックの後」で決まる

ダニーが強く見ていた数字がある。SNSの投稿からサイトに来た人が、その後どれくらい行動するか。申し込みや購入につながる割合だ。

反応が良ければ、商品として強い。HeadshotProは特に数字が良く、勝てると確信できたという。

これでダニーは示した。成功は一度きりの運ではない。同じ姿勢で、もう一度勝てる。

燃え尽きないために、最初からチームを考える

一人で何でもやる文化はある。だがダニーは、早い段階でチーム作りに慣れるべきだと考えている。

過去に疲れ切って、長い休みが必要になった経験がある。その後、人を雇うことを受け入れた。

全部を一人で抱えない。そうすると起業家としての自由度が上がる。心も体も、長く走れる。

「時間を売る」働き方から抜け出す

もう一つ、ダニーが大事だと思っていることがある。できるだけ自動で回るビジネスを目指すことだ。

仕組みが整えば、休んでも事業が止まりにくい。働いた時間だけお金になる形から離れ、仕組みで収益が生まれる形へ移る。そうすると「ずっと働き続けないと生活できない」状態から抜け出せる。

自分で上限を決めない。「もっと」を口に出す

ダニーが一番伝えたいのはここだ。

「自分はここまで」と勝手に上限を作らない。事業が伸び始めると、可能性は想像以上に広がる。

大きく夢を見る。そのために必要なことを聞きにいく。頼む。交渉する。新しい技術に早く触れにいく。

その積み重ねが、短期間で二度の大きな成功を連れてきた。欲しいなら、言う。世界を動かす最初のスイッチは、いつもそこにある。