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元Google社員が「車を改造して全米を旅しながらコーチング」で登録者10万人。キャリア支援の禁断の設計

7 min read2026年3月10日
元Google社員が「車を改造して全米を旅しながらコーチング」で登録者10万人。キャリア支援の禁断の設計

ビジネス概要

事業タイプ

Other

フェーズ

拡大期

規模感

登録者10万人規模

概要

テック業界で「夢の仕事」を目指す人に向けて、面接対策を中心とした学習・メンタリング・コミュニティを月額で提供するキャリア支援サービス。

ターゲット

テック業界への転職・就職を目指す個人の求職者

主な打ち手

ブログで集客しつつ低価格の資料販売で需要を確かめ、登録者の声を直接聞いて面接対策に絞った教材を作り、利益をSEOと広告に再投資した。

30秒で分かる

1Google元PMが転身し登録者10万人。

テック業界の転職支援「Exponent」を立ち上げた

ブログ起点でサービス化した

2足りない感覚を行動に変えた。

人の話を聞き支える経験が原点だった

Googleが嫌で辞めたわけではない

米国横断の旅でコーチングを続けた

3ブログで小さく売って確かめた。

広告なしで低価格の資料を販売した

メール登録者に直接聞いて作り直した

悩みの中心が「面接」だと掴んだ

4仲間とノウハウを開いた。

大学時代の友人を共同創業者にした

各社の知り合いをメンターに広げた

利益を検索対策や広告に回した

5続けさせず卒業させる設計にした。

月額約2,000円($12)にした

100時間以上の動画や模擬面接を用意

就職した人が次はメンターに回る

6本質は無料で入口を作り循環させた点。

無料教材を大量に出し、有料で深めた。

学ぶ側が支える側に回り始めた。


ストーリーの流れ

Problem

Googleでプロダクトマネージャーとして働き実績もあったが、心が満たされない停滞感を抱えた。

  • 仕事は順調でも胸の奥の空白が消えない状態だった。
Insight

人の話を聞き背中を押して助けたときの手応えこそが自分の原点だと気づいた。

  • 自殺防止ホットラインのボランティア経験もあり感情や心の問題に向き合う関心が強かった。
Action

Googleを離れてテック業界で夢の仕事を目指す人を支えるためにキャリア支援サービス「Exponent」立ち上げへ踏み出した。

  • 会社が嫌になったからではなく何かが足りない感覚と起業への関心が背景にあった。
Action

気持ちを整理するためアメリカ横断のロードトリップをしながらオンラインでコーチングできる環境を整えた。

  • 車を少し改造して旅先からでもコーチングできる形にした。
Insight

テック業界の知り合いからの相談が多く業界理解と共感が安心につながると分かった。

  • Googleで働いていた経験が業界の空気や細かい事情の理解に役立った。
Action

旅を続けるための収入源として始めたコーチングとブログ発信が活動の芽になった。

  • ブログにオンラインコーチングのことも書くと読者が少しずつ増えていった。
Problem

旅をしながらのコーチングは通信が不安定で限界があり安定した提供形態が必要になった。

  • Wi-Fiや携帯回線がよく途切れる状況だった。
  • 知識や経験を事業として成り立つ仕組みにしたい思いが固まった。
Action

まず低価格の資料を広告なしでブログから販売し需要を確かめた。

  • ブログのトップにメール登録の仕組みを設けて見込み客を集めた。
Insight

登録者に直接連絡して困りごとを聞き要望の多いものをすぐ作って届ける循環を作った。

  • 何に困っているかと役に立つ情報を対話で確かめた。
Insight

最も多い悩みが独特なテック業界の面接対策だと特定し大きな助けの余地を確信した。

  • 質問の種類も評価の仕方も特殊で準備方法が分かりにくい領域だった。
Team

大学時代の友人で元ルームメイトのジェイコブ・サイモンを誘い「Exponent」を共同で動かし始めた。

  • 一人で抱え込まずに進める方針を取った。
Team

友人ネットワークを頼って各社の知り合いに協力してもらい必要に応じて相談できる体制を整えた。

  • 友人たちにメンターとして参加してもらい受講者とつなげる発想へ広がった。
Insight

有名テック企業への就職情報が閉じた世界になりがちで透明化が必要だと定義した。

  • コツを知っている人が少数で知らない人が遠回りを強いられる状況を変える狙いだった。
Action

メンターがオンライン講座も作れるようにし資料を本格的なコースへ進化させた。

  • 各分野の経験者が担当しビジネススクールで扱っても遜色ないレベルを目指した。
Growth

得た利益を検索対策や広告に投じてテック業界に特化した言葉で届け登録者を拡大した。

登録者10万人規模登録者規模
  • 最初はブログ読者だった層が着実に増えていった。
Monetize

利用者を長く縛らず仕事を得て卒業させる思想に合わせて料金形態を設計した。

  • 就職できた人が次はメンターとして支える側に回るコミュニティ方針を取った。
Monetize

仕事探し中でも払える価格として月額約2,000円($12)に設定した。

月額約2,000円($12)月額価格
  • 転職活動中は収入が不安定な人も多い前提で手の届きやすさを優先した。
Action

100時間以上の動画や模擬面接やチャットや会員向け求人情報まで揃え実際に動ける設計にした。

  • 選びやすいメンタープログラムを整え合うメンターを見つけやすくした。
  • 練習中心にし面接の流れや回答の型やふるまい方まで幅広く対応した。
Growth

無料で見られる教材を大量に公開し有料の深い学びへ進む入口を作った。

  • ジェイコブが模範回答の録画を始め無料でもライブ配信を実施した。
  • 会員向けにはさらに大きな動画ライブラリを用意した。
Scale

有名なMBAプログラムとも連携し教材や仕組みづくりを進め循環するコミュニティが現実になり始めた。

  • 利用者が大手企業のプロダクトマネージャーとして採用され1年後にExponentのチームに加わった出来事があった。

憧れの企業で働き、肩書きも実績もある。傍目には「成功者」に映るのに、なぜか心が満たされない。そんな言葉にしにくい停滞感に、ふと立ち止まってしまうことがある。

Googleでプロダクトマネージャーとして働いていたスティーブン・コグネッタも、まさにその感覚を抱えていた一人だ。仕事は順調。それでも、胸の奥の空白が消えない。

やがて彼は、誰かの話を聞き、背中を押したときの手応えを思い出す。そして「夢の仕事」を目指す人を支える側へ転身。ブログから始まった小さな試みは、登録者10万人規模のサービスへと成長していく。

Googleを離れて、「夢の仕事」をつかむ手助けを仕事にした

多くの人にとって、Googleで働くことは大きな憧れだ。そこでプロダクトマネージャーを務めていたスティーブン・コグネッタも、周囲からすれば「成功した人」に見えたはずだ。

しかし彼の中には、言葉にしにくい空白があった。仕事はうまくいっている。それなのに、心が満たされない。

その理由を考えるうち、昔の感覚がよみがえってきた。誰かを助けたときの手応え。人の話を聞き、背中を押したときの実感。そちらのほうが、自分の中に深く刻まれていた。

スティーブンは決断する。自分が本当にやりたいのは、テック業界で夢の仕事を目指す人を支えることだ。こうして、キャリア支援サービス「Exponent」を立ち上げる道へ踏み出した。

原点は「人の話を聞く」ことだった

スティーブンがコーチングを始めたのは、思いつきではない。かつて自殺防止ホットラインのボランティアも経験しており、人の感情や心の問題に向き合い、支えることに強い関心を持っていた。

Googleを辞めたのも、会社が嫌になったからではない。ただ「何かが足りない」という感覚があり、起業という働き方にも興味が湧いてきた。自分のこれからを見つめ直す時間が必要だった。

気持ちを整理するため、スティーブンはアメリカ横断のロードトリップに出る。車を少し改造し、旅先からでもオンラインでコーチングできる環境を整えた。

相談に来るのは、テック業界の知り合いが多かった。スティーブン自身がGoogleで働いていたからこそ、業界の空気や細かい事情まで理解できる。その共感が、相談者の安心につながった。

旅のための稼ぎが、事業の芽になった

最初のコーチングは、旅を続けるための収入源という意味合いが強かった。今でいう「リモートワークで移動する生活」を、スティーブンは流行より前から実践していた。旅そのものが目的だった。

同時に、旅のブログも書き始めた。そこにオンラインコーチングのことも書くと、読者が少しずつ増えていった。趣味と仕事が自然に混ざり合い、活動の幅が広がっていく。

スティーブンはもともと、何かを作って広げることが得意だった。メンタルヘルスのイベントを企画して500人以上が集まる場に育てたこともあれば、クイズアプリの仕組みを検証して発信し、個人開発者のコミュニティで注目を集めたこともある。

ただ、旅をしながらのコーチングには限界もあった。通信が不安定で、Wi-Fiや携帯回線がよく途切れる。続けるうちに思いが固まってくる。「この知識や経験を、もっと安定した形で届けたい。きちんと事業として成り立つ仕組みにしたい」

小さく売って、反応を見て、作り直す

スティーブンはまず、テック業界で仕事を得るための資料を低価格で販売してみた。広告は使わず、ブログから人を集めて需要を確かめた。

ブログのトップにはメール登録の仕組みを設けた。登録者が増えると、スティーブンは直接連絡して話を聞いた。何に困っているのか、どんな情報が役に立つのか。要望の多いものはすぐ作って届けた。

最も多かった悩みは、面接だった。テック業界の面接は独特で、質問の種類も評価の仕方も特殊なため、何をどう準備すればいいか分かりにくい。ここに大きな助けの余地があると確信した。

ただし、スティーブンは一人で抱え込むつもりはなかった。大学時代の友人で元ルームメイトのジェイコブ・サイモンに声をかけ、こうして「Exponent」が動き出した。

仲間を集め、「閉じたノウハウ」を開いていく

共同創業者となった2人は、まず友人たちのネットワークを頼った。さまざまな会社で働く知り合いに協力してもらい、必要に応じて相談できる体制を整える。

そこから発想が広がった。友人たちにメンターとして参加してもらい、受講者とつなげられないか。

有名テック企業への就職は、情報が閉じた世界になりがちだ。コツを知っている人は少数で、知らない人はずっと遠回りを強いられる。Exponentが目指したのは、その状況を変えることだった。情報を分かりやすく、透明にする。

メンターは個別サポートだけでなく、オンライン講座も作れる。スティーブンが用意していた資料は、徐々に本格的なコースへと進化した。内容は「ビジネススクールで扱っても遜色ない」レベルを目指し、各分野の経験者が担当した。

さらに2人は、得た利益を検索対策や広告に充てた。テック業界に特化した言葉で情報を届けた結果、最初はブログ読者だった層が着実に増え、登録者は10万人規模まで伸びていった。

目標は「続けさせること」ではなく「卒業させること」

料金の形にも頭を悩ませた。講座ごとに課金するのか、月額制にするのか。

仕事探しは、ずっと続くものではない。必要なのは転職活動の期間だけだ。Exponentはその点をはっきりさせた。利用者が仕事を得ることがゴールであり、サービスに長く縛りつけない。

そして就職できた人は、次の役割へ移れる。今度はメンターとして、別の誰かを支える側になる。Exponentは「サービス」だけでなく「コミュニティ」として育てる方針を取った。

仕事探し中でも払える価格にする

転職活動中は収入が不安定な人も多い。Exponentは手の届きやすさを優先し、月額約2,000円($12)に設定した。

内容は充実している。100時間以上の動画、模擬面接、参加者同士やメンターとつながるチャット、会員向けの求人情報。学ぶだけで終わらず、実際に動けるよう設計されている。

もう一つ大切にしたのは、「この人から学びたい」と思えることだ。テック業界の仕事は幅広く、エンジニアリングもあればプロダクトマネジメントもある。合うメンターは人によって異なるため、選びやすいメンタープログラムを整えた。

学び方は練習中心にした。読むだけ、見るだけでは身につきにくい。実際に答える練習を重ねるほうが効果的だ。ネット上に十分な例がない面接質問も用意し、面接の流れ、回答の型、ふるまい方までカバー。行動に関する質問から分析、設計、技術系まで幅広く対応している。

無料で広げ、有料で深める

Exponentは、教材を有料コンテンツの中だけに閉じ込めなかった。「多くの人を助ける」という目的があるからこそ、無料で見られる教材も大量に公開した。

それが結果的に、入口になった。動画を見て「このやり方ならいけそうだ」と感じた人が、次に有料の学びへと進む。

ジェイコブはプロダクトマネジメントの質問に対する模範回答を録画し始めた。最初は、講座を購入しない人にも役立つ情報を届けるためだった。会員向けにはさらに大きな動画ライブラリを用意し、無料ではライブ配信も実施する。無料で価値を示し、必要な人が深い学びへ進める流れが生まれた。

学ぶ側が、支える側に回り始めた

現在、Exponentは有名なMBAプログラムとも連携し、新しい教材や仕組みづくりを進めている。試行錯誤は続くが、事業は着実に成長している。

象徴的な出来事があった。Exponentの利用者の一人が大手企業のプロダクトマネージャーとして採用され、1年後にはExponentのチームに加わったのだ。

学ぶ側だった人が、今度は支える側になる。スティーブンが最初に思い描いた「助けが循環するコミュニティ」が、現実になり始めている。