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【実録】「たった1日で5社決まった」人手不足→100日で売上急伸の条件

6 min read2026年2月18日
【実録】「たった1日で5社決まった」人手不足→100日で売上急伸の条件

ビジネス概要

事業タイプ

Marketplace

フェーズ

拡大期

規模感

応募者は毎週およそ1000人集まる

概要

フィリピンなど海外の契約マーケターを採用・育成して、成長したい企業に月単位で提供する。

ターゲット

成長を目指すスタートアップやDTCブランドの経営層やマーケティング責任者

主な打ち手

採用の入口は広くしつつ「上位1%」だけを通す認定テストと面接の仕組みを作り、訓練・認定済み候補者が流れてくる採用育成パイプラインを構築した。

ストーリーの流れ

Problem

マーケティングの意思決定と作業が絡まり、社内の人数不足で前に進まない状況があった。

  • マーケティングはやることが多いのに手が足りず、停滞感が強まっていた。
  • 資金調達や大規模採用ではない打開策が求められていた。
Insight

社内チームだけでマーケティングを完結させようとすると会社の動きが遅くなると気づいた。

  • 重要な意思決定と時間のかかる作業が一緒くたになることで、いつもリソースが不足していた。
  • SEOやSNS、アフィリエイトのように積み上がる施策は長期で強い一方、実行量が必要だった。
Insight

定型化しやすい作業をリモート契約スタッフに任せれば、コア人材が戦略と改善に集中できると整理した。

  • フィリピンのリモート契約スタッフが動画編集やコンテンツ制作、メール更新などを支えていた。
  • この切り分けが自社のグロースマーケティングの基盤になっていた。
Action

フィリピンなど海外の契約マーケターを集め、スタートアップやDTCブランドにつなぐ構想を事業として形にしようとした。

  • 月単位で企業に提供できるよう、必要な人を集めて育て、すぐチームとして動かせる仕組みを描いた。
  • ただし採用と育成を設計し回し続ける専門性が不足していた。
Team

2021年2月に中学時代の親友アドリアン・シュワーガーへ電話し、共同創業者として迎えてCEOを任せた。

2021年2月共同創業の起点
  • ジェシーは信頼できて採用と人づくりに強い相棒が必要だと判断していた。
  • アドリアンは投資会社で採用の仕組みづくりや育成を担当してきた。
  • アドリアンが前に立ち、ジェシーは助言役に回る役割分担を選んだ。
Action

サービスが整っていない段階でもDTCブランドに片っ端から電話し、初日から顧客獲得の手応えをつかんだ。

たった1日で5社の顧客初期顧客獲得
  • ジェシーが知り合っていたDTCブランドを一覧にして連絡した。
  • 未完成の状態でも需要を確かめる動きがそのまま立ち上がりの推進力になった。
Action

顧客決定と同時に採用を始め、数か月で訓練と認定済みの候補者が流れてくる仕組みを作った。

  • フィリピン側のつながりも活かしながら採用導線を整えた。
  • 会社自身の最初のメンバーも育成プログラムから採用し、品質を確かめながら進めた。
  • 採用は必要になってから始めるものではないという考えで候補者との接点を継続した。
Insight

採用条件を厳しくしすぎるとスピードが落ちるため、「必須」と「あれば良い」を分ける重要性を学んだ。

  • 最初の採用と育成に時間をかけすぎたことを反省点として捉えた。
  • 市場が本当に求める力を見直すことで配置を速くできるようになった。
  • デザインなどはツールの進化で専門家でなくても対応できる範囲が広がっていた。
Growth

需要増と紹介効果が重なり、順番待ちが発生して半年待ちになるほど注目を集めた。

半年待ち需要の行列
  • リモートで世界中から人を集める流れが強まり需要が一気に増えた。
  • 有名なマーケター兼投資家の活用が紹介につながり、大きな宣伝になった。
Scale

応募は毎週およそ1000人集めつつ、上位1%レベルだけを採る方針で品質を担保した。

毎週およそ1000人応募者規模
  • 海外人材に仕事を頼むサービスが珍しくない中で、通す人数を絞る戦略を選んだ。
  • 入口は求人媒体、SNS、紹介、広告など複数に広げた。
  • 大卒要件に加えて短い認定テストと面接を複数回実施し、文化適合も丁寧に見た。
Scale

採用プロセスを改善し、全体で約2週間まで短縮した。

約2週間採用プロセス期間
  • テストと面接を複数回行いながらも、運用の磨き込みでリードタイムを縮めた。
Growth

立ち上げから数日で動き出し、約100日で売上が一気に伸びた。

約100日売上伸長までの期間
  • アメリカ側の少人数チームでも複数の有名企業と取引できるところまで進んだ。
  • 世界中の企業に上位1%レベルのマーケターを届ける目標は変わらなかった。
Team

固定の社員を少なくし契約メンバーを厚くする体制で、任せる経営を実装した。

  • アメリカ拠点の少人数に対し、世界各地のメンバーが多数いる形を取った。
  • 売上が大きく伸びるまでアメリカ側の正社員採用を後回しにした時期もあった。
  • 秘書役のような存在を先に雇い、雑務を渡して時間を確保する考えを徹底した。
Scale

世界規模で採用し育て配置する仕組みを広げ、どの会社にも必要になるグロースアシスタント需要を取りにいった。

  • グロースマーケティング人材の世界的需要は今後さらに高まると見立てた。
  • 手作業や定型作業を支える役割が各社各部署に必要になる前提で展開を続けている。

社内の人数が足りない。マーケティングはやることが多いのに、意思決定と作業が絡まり、前に進まない。

そんな停滞感を前に、打開策を探していた起業家ジェシー・プジーが選んだのは、華やかな資金調達でも、大規模採用でもなかった。

中学時代の親友にかけた一本の電話から始まった挑戦は、まだ何も完成していない段階で「たった1日で5社の顧客が決まる」という手応えにつながっていく。何が噛み合い、事業は動き出したのか。

中学の親友にかけた一本の電話が、会社の始まりになった

2021年2月。起業家でグロースマーケターのジェシー・プジーは、中学時代の親友アドリアン・シュワーガーに電話をかけた。

ただの近況報告じゃない。ジェシーの頭の中に何年も眠っていたアイデアを、今こそ形にするための電話だった。

アドリアンは投資会社で、人材採用の仕組みづくりや育成を長く担当してきた。その後は取引の仕事にも関わった。子どもが生まれたばかりで、保育園ビジネスを始めることも考えたが、条件が合わない。別の道がある気がしていた。

ジェシーは言った。「新しい形のマーケティング支援を作りたい。信頼できて、採用と人づくりに強い相棒が必要だ」

思い当たる相手は一人しかいなかった。アドリアンだ。

こうしてアドリアンは共同創業者として参加し、CEOを引き受けた。ジェシーは前に出るより、助言役に回った。会社の狙いはシンプルだった。フィリピンなど海外にいる優秀な契約マーケターを集め、成長したいスタートアップやDTCブランドにつなぐ。

アドリアンにはマーケティング経験も経営経験もほとんどなかった。それでも勝負できる武器があった。採用と育成。人を見つけ、鍛え、チームとして動かす力だ。

立ち上げから数日で会社は動き出した。約100日で売上は一気に伸びた。アメリカ側の少人数チームでも、複数の有名企業と取引できるところまで進んだ。目標は今も変わらない。世界中の企業に「上位1%レベルのマーケター」を届けることだ。

社内だけで全部やろうとすると、会社は遅くなる

ジェシーは大学卒業後、金融やコンサルで働いた。その後、2009年以降の10年で大きな実績を作る。資金調達に頼らず、自力で伸ばす形でグロースマーケティング会社を成功させた。

グロースマーケティングは、広告を大量に買って一気に売る考え方とは違う。SEO、SNS、アフィリエイトのように、時間をかけて積み上がる仕組みで売上や問い合わせを増やす。すぐには結果が出にくいが、長い目で見ると強い。

ジェシーはDTCブランドに投資し、毎日のように多くの会社と話した。そこで同じ問題に何度もぶつかった。

多くの会社が、マーケティングを社内チームだけで全部やろうとしていた。すると動きが遅くなる。重要な意思決定と、時間がかかる作業が一緒くたになり、いつも手が足りなくなる。

ジェシーの会社では仕事を切り分けていた。フィリピンのリモート契約スタッフが、動画編集、コンテンツ制作、メール更新など、手間はかかるが定型化しやすい作業を支える。その分、コアのメンバーは戦略や改善に集中できた。

ジェシーは考えた。「このやり方を、他社にも提供できる形にできないか」

フィリピンなどでグロースマーケターを採用し、月単位で企業に提供する。必要な人を集め、育て、すぐチームとして動かせる仕組み。そこまでイメージはできていた。

ただ一つ足りなかった。採用と育成を設計し、回し続ける専門性だ。その穴を埋められるのが、アドリアンだった。

アドリアンは、エンジニアに投資の取引を教える社内プログラムを作り、数百人規模の育成につなげた経験がある。ジェシーのマーケティングと、アドリアンの採用・育成が合わさったとき、アイデアは事業に変わった。

初日から手応えがあった。まだ何も完成していないのに

アドリアンは提案を10日ほど考えた末に決断した。参加する。

2人はすぐ動いた。ジェシーが知り合っていたDTCブランドを一覧にし、片っ端から電話をかけた。まだサービスがきれいに整っていない段階だったのに、たった1日で5社の顧客が決まった。

その瞬間からアドリアンは採用を始めた。数か月のうちに、フィリピン側のつながりも活かしながら、訓練と認定を終えた候補者が流れてくる仕組みを作った。

会社自身の最初のメンバーも、その育成プログラムから採用した。自分たちの手で品質を確かめながら進める。今もこの方針は変わらない。

アドリアンの考えははっきりしている。「採用は、必要になってから始めるものじゃない」

今すぐ雇わない時期でも、一定の時間を使って候補者とつながり続ける。そうしておけば、募集が必要になったときに素早く良い人を採れる。紹介も増えやすい。

実際、最初に担当したメンバーは顧客から高い評価を受けた。ただアドリアンは同時に反省もした。最初の採用と育成に、時間をかけすぎた。

仕事が見えるほど、「絶対に必要な条件」と「あったら良い条件」を分けることが重要だと分かったからだ。

たとえばデザイン。便利なツールが増え、専門家でなくても短時間でできる範囲が広がった。最初から条件を厳しくしすぎると、採用スピードが落ちる。市場が本当に求める力を見直すことで、配置を速くできるようになった。

その後、リモートで世界中から人を集める流れが強まり、需要が一気に増えた。さらに、有名なマーケター兼投資家が強いチーム作りにこの会社を活用し、紹介が大きな宣伝になった。

気づけば順番待ちができ、半年待ちになるほど注目を集めていた。

ただ海外に任せるだけじゃない。「上位1%」にこだわった

海外人材に仕事を頼むサービス自体は珍しくない。だがこの会社は、採用の入口を広くしても、通す人数は絞った。上位1%レベルだけを採る方針を貫いた。

顧客は半年待ちが続く。応募者は毎週およそ1000人集まる。入り口は求人媒体、SNS、紹介、広告など複数ある。

採用には条件がある。大卒であること。そのうえで短い認定テストと面接を通過する必要がある。テストと面接は複数回あり、スキルだけでなく、チームや文化に合うかも丁寧に見る。

この流れは改善され、全体で約2週間まで短縮されてきた。

任せる勇気が、会社も生活も守った

アドリアンはCEOとして働きながら、家族との時間も守ろうとした。その両方を成立させたのが、採用の経験と「任せる力」だった。

コントロールを手放せないと、恐れで動く経営になる。そうなると判断が鈍る。アドリアンはそう考えている。

だから必要になる前に、秘書役のような存在を雇う。雑務を渡すと、時間が大きく空く。最も価値のある資産は時間で、その時間を守れる。

会社の形も同じだ。固定の社員は少なくし、契約メンバーを厚くする。アメリカ拠点の少人数に対し、世界各地のメンバーが多数いる。売上が大きく伸びるまで、アメリカ側の正社員採用を後回しにした時期もあった。

2人は見ている。グロースマーケティング人材の世界的な需要は、これからさらに高まる。

仕事は世界に開かれていく。どの会社のどの部署にも、手作業や定型作業を支える「グロースアシスタント」が必要になる。だからこそ、世界規模で採用し、育て、配置する仕組みを広げ続けている。