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「電話が怖くて、チャンスを逃した」月15万円に届くまで18か月→上場まで連れていった営業の習慣

7 min read2026年2月24日
「電話が怖くて、チャンスを逃した」月15万円に届くまで18か月→上場まで連れていった営業の習慣

ビジネス概要

事業タイプ

Agency

フェーズ

上場後

規模感

年100万ドル規模(約1.5億円規模)

概要

Webサイトを制作して納品するだけでなく、運営まで引き受けて管理費を受け取る事業。

ターゲット

中小企業の経営者や起業家で、事業の成長と上場を目指している意思決定者

主な打ち手

サイトを作って並べるだけをやめ、ブログ発信と電話・メールで信頼と人脈を作って価値を理解する買い手を増やした。

ストーリーの流れ

Problem

学位も資金もない状態で起業し、売り方も手応えもつかめないまま走り出した。

  • 計画もあいまいで、どう売ればいいかもよく分かっていなかった。
Growth

最初の事業は思うように稼げず、収益化まで長い停滞を経験した。

月1,000ドル(約15万円)初期の収益水準
  • 止まっているような時間と不安の中で試行錯誤が続いた。
  • 18か月、ほとんど利益が出ない日々が続いた。
Insight

サイトを作って並べるだけでは売れず、価値を分かってくれる人を増やす必要があると気づいた。

  • ブログで発信し、やり方を見せ、学びたい人に教える土台づくりが要ると理解した。
Action

営業への恐怖を抱えたまま電話やメールを続け、信頼づくりに踏み込んだ。

  • 検索上位を取る工夫だけでは新しい客が急に増えないと理解した。
  • 少しずつ人脈が広がり、メールの読者も増えていった。
Team

会社が伸び始めて1人では回らなくなり、サイト制作を手伝う人を雇う段階に入った。

  • 任せ方や給料の決め方、売上が落ちた場合など不安の種類が変わった。
  • 音声番組や勉強会から知識を集め、走りながら考える形で覚えた。
Growth

最初の会社は売上が年100万ドル規模まで伸び、顧客ニーズも変化した。

年100万ドル規模(約1.5億円規模)最初の会社の売上規模
  • 客から「作るだけじゃなく、運営もしてほしい」という声が増えた。
Monetize

制作して渡すだけでなく運営を引き受けて管理費をもらうモデルに価値があると判断した。

  • そのために最初の会社を売り、新しい事業に集中する決断をした。
Action

2018年末に2つ目の会社を立ち上げ、最初の会社で得た利益を元手に早期から体制を整えた。

2018年末2社目の立ち上げ時期
  • 早い段階で責任者クラスの人材を雇えた。
  • 伸びが早かった理由として、資金と人脈づくりの理解、過去実績の信用が挙げられた。
Monetize

2つ目の会社は短期間で売上が安定し、生活費としての給料も出せる状態になった。

7〜8か月売上の安定までの期間
  • 1年目の終わりには資金繰りが良くなり、チームの給料を上げられる状態になった。
Scale

事業が進むほど自社運営だけでなく複数事業をまとめて動かす必要が生まれた。

  • 投資や契約の仕組みなど新しい知識が要る状態になった。
  • 子育てと仕事の両立が課題になり、夜遅くや週末の働き方は続けにくくなった。
Problem

拡大局面では人員と売上が互いに制約となり、堂々巡りの課題にぶつかった。

  • 人を増やすには売上が要り、売上を増やすには人が要る構図だった。
Insight

投資家資金をより安全に運用するため、複数事業で全体を支える構造を目指す問題意識が生まれた。

  • 1つの事業に全額を入れると失敗時に全部が消えるリスクがあると捉えた。
  • 複数の事業をまとめて持ち、全員が全体に少しずつ関わる形を目標にした。
Action

上場支援会社からの連絡を機に、上場が評価を伸ばし得る選択肢として現実味を帯びた。

  • 規模が大きくなくても上場すれば評価が大きく伸びる可能性があると言われ、考え方が動き始めた。
  • 上場すれば資金を集めやすくなり、投資家にとっても売買しやすいと捉えた。
Scale

2020年ごろから約2年かけて上場準備を進め、2022年8月に上場を実現した。

2022年8月上場の実現時期
  • 監査、資料作り、契約書の整理を進め、投資家への説明も重ねた。
  • 市場の事情で予定はずれ込み、上場時期が後ろ倒しになった。
Growth

上場後は資金調達や人材獲得、買収交渉での信用面の選択肢が増えた。

  • 投資家が株を売買しやすくなり、会社としても借り入れなどの選択肢が増えると整理した。
  • 上場企業という肩書きが信用になり、報酬として株式を渡す形も取りやすいとした。
  • 買収の交渉でも監査済みの数字を示せるため相手が安心しやすいと述べた。
Insight

上場を目指すなら万能視せず、まず「なぜ上場したいのか」を言葉にして固めるべきだと結論づけた。

  • 準備の大変さや費用、会社や個人資産が知られやすくなる面があるとした。
  • 資金が必要でも上場が最適とは限らず、自己資金や非公開で投資を受ける道もあると述べた。
Insight

どの道を選んでも学び続け、粘り強さと柔軟さを両立させることが最後にものを言うと示した。

  • うまくいくために必要なことは最初に想像したものと違うことが多いと述べた。
  • うまくいかないやり方を変える柔軟さが必要だとまとめた。

学位も資金もないまま起業して、会社を上場まで持っていく――。そんな話は、どこか遠い世界の出来事に聞こえがちだ。

ドミニクも最初は、売り方も手応えもつかめないまま走り出した。思うように稼げず、月1,000ドル(約15万円)に届くまでに18か月かかる。止まっているような時間と、不安の中で試行錯誤が続いた。

それでも失敗を材料にして、次は同じ落とし穴を避けた。やがて年100万ドル規模(約1.5億円規模)に伸び、さらに上場という選択が現実になる。何が転機になったのか。その道筋をたどっていく。

学歴より、現場で覚えたことが武器になる

会社を大きくして株式を公開するには、すごい学位か、最初から大金が必要。そんなふうに思われがちだ。

でもドミニクは、どちらも持たずにスタートして、自分の会社を上場まで連れていった。

最初のころは、計画もあいまいで、どう売ればいいかもよく分かっていなかった。1年目から月に大きく稼げると信じていたのに、現実は厳しい。月1,000ドル(約15万円)に届くまで、18か月もかかった。

それでも、そこで終わらなかった。失敗を材料にして、次は同じ落とし穴を避けた。その結果、2つ目の事業は3年で大きく伸びていく。

遠い台湾で、未来の入口が開いた

ドミニクは大学でメディアを学んだ。けれど映画やテレビの世界には進まなかった。仕事が少なかったこともあり、兄の言葉も背中を押して、台湾へ行き英語教師になった。

2008年、世界の景気が冷え込む中で台湾に到着し、英語を教え始める。両親は「イギリスの景気が戻るまで台湾にいた方がいい」と言った。数年働くうちに台湾人の妻と出会い、アジアで生きていく覚悟も固まっていった。

ただ、英語教師だけで一生終わる気はしなかった。2012年ごろ、ネットで商品を紹介してお金が入る仕組みに興味を持つ。サイトを作り、文章を書き、検索で上に出す方法を学び、レビューで収益を得る方法も覚えた。

やっているうちに、これがただの趣味ではなく、事業になると感じ始めた。

最初の会社でつまずいた本当の理由

2013年11月、ドミニクは最初の会社を作った。特定ジャンルの紹介サイトを作り、それを売る。最初はそんなモデルを考えていた。

ところが、売買の場には「すぐ儲かる」とうたう安い出品が並び、空気が怪しい。まじめに作ったサイトほど、見えにくくなる場所だった。

それでも方針を変え、「ちゃんとしたサイトを作って売る」路線に切り替える。だが買い手はつかない。「1年育てれば少しずつ稼げる」と説明しても、反応が薄い。

18か月、ほとんど利益が出ない日々が続いた。

その時間の中で、ようやく原因が見えてくる。サイトを作って並べるだけでは足りない。価値を分かってくれる人を増やさないといけない。ブログで発信し、やり方を見せ、学びたい人に教える。そうやって土台を作る必要があった。

2014年から2018年にかけて、ドミニクはその積み上げに時間を使った。

「売るのが怖い」を乗り越える

当時のドミニクは営業が得意ではなかった。電話で売り込むのが怖い。突然の連絡にも身構えてしまう。大量に買いたいという相手が現れても、電話に出たくない気持ちが勝って、チャンスを逃したことすらある。

でも、検索で上位を取る工夫だけでは、新しい客は急に増えない。しかも時間がかかる。

売るには、人と話して信頼を作るしかない。そう理解してから、電話やメールを続けた。怖さを消すのではなく、怖いまま前に進んだ。少しずつ人脈が広がり、メールの読者も増えていった。

人を雇うと、別の不安がやってくる

会社が伸び始めると、1人では回らない。サイト制作を手伝う人を雇う必要が出てきた。

すると悩みの種類が変わる。どう仕事を任せるか。給料をどう決めるか。売上が落ちたらどうするか。新しい不安が次々に出てくる。

ドミニクは、試しながら覚えた。音声番組や勉強会からも知識を集めた。完璧な計画はなかった。走りながら考える形だった。

その経験が会社の背骨になった。

2017年ごろ、最初の会社の売上は年100万ドル規模(約1.5億円規模)まで伸びた。すると客から「作るだけじゃなく、運営もしてほしい」という声が増える。

ドミニクは考えた。サイトを作って渡して終わりではなく、運営を引き受けて管理費をもらう形なら、もっと価値が出る。そこで最初の会社を売り、新しい事業に集中する決断をした。

2つ目の会社は、最初からスピードが違った

2018年末、ドミニクは2つ目の会社を立ち上げた。最初の会社で得た利益があったので、早い段階で責任者クラスの人材を雇えた。

7〜8か月で売上が安定し、生活費としての給料も出せるようになる。1年目の終わりには資金繰りが良くなり、チームの給料を上げられる状態になった。

伸びが早かった理由はシンプルだ。

  • 最初から人に払う資金があった
  • 人脈作りの大切さを理解していた
  • 過去の実績が信用になっていた

昔は避けていた電話での打ち合わせも、短時間で契約を決められるようになった。

ただし、楽になったわけではない。今度は「自社の運営」だけでなく「複数の事業をまとめて動かす」必要が出てきた。投資や契約の仕組みなど、新しい知識も要る。

家庭も変わった。子育てと仕事の両立が課題になる。夜遅くまで働く、週末も働く。そういうやり方は続けにくい。

悩みの中心も変わった。会社が成り立つかではなく、どう拡大するか。人を増やすには売上が要る。売上を増やすには人が要る。そんな堂々巡りにもぶつかった。

上場という選択が現実になる

自己資金でやってきた起業家は、上場を現実的に考えにくい。ドミニクもそうだった。

そんなとき、上場を支援する会社から連絡が来た。まだ規模は大きくなくても、上場すれば評価が大きく伸びる可能性がある。そう言われたことで、考え方が動き始める。

もう1つ、ドミニクには強い問題意識があった。投資家の資金を、もっと安全に運用したい。

1つの事業に全額を入れたら、その事業が失敗したとき全部が消える。だから、複数の事業をまとめて持ち、全員がその全体に少しずつ関わる形を目指した。1つが失敗しても、別の事業が伸びれば全体で支えられる。

上場すれば資金を集めやすくなる。投資家にとっても売買しやすい。長く続けられる事業の形が見えたことで、上場準備が始まった。

2020年ごろから約2年、監査、資料作り、契約書の整理を進め、投資家にも説明を重ねた。市場の事情で予定はずれ込み、2022年8月に上場が実現した。

上場後は、投資家が株を売買しやすくなる。会社としても借り入れなどの選択肢が増える。人材集めでも、上場企業という肩書きが信用になる。報酬として株式を渡す形も取りやすい。買収の交渉でも、監査済みの数字を示せるので相手が安心しやすい。

上場を目指すなら、まず理由を言葉にする

上場は万能ではない。準備は大変で、費用もかかる。会社の状態や個人の資産状況が、知られやすくなる面もある。

だから「なぜ上場したいのか」を先に固める必要がある。会社を大きくして売却したいのか。資金を集めて成長を速めたいのか。

資金が必要なら、上場が最適なのかも考えるべきだ。自己資金で伸ばす道もある。非公開のまま投資を受ける道もある。

ただ、どの道を選んでも変わらないことがある。学び続ける姿勢が必要だということ。

うまくいくために必要なことは、最初に想像したものと違うことが多い。続ける粘り強さと、うまくいかないやり方を変える柔軟さ。その両方が、最後にものを言う。