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無名の起業家2人が「紹介して終わりにしない」で8か月でVA50人・起業家60人。採用の不安を消す導線の仕掛け

8 min read2026年4月12日
無名の起業家2人が「紹介して終わりにしない」で8か月でVA50人・起業家60人。採用の不安を消す導線の仕掛け

ビジネス概要

事業タイプ

Marketplace

フェーズ

拡大期

規模感

立ち上げ8か月でVA50人・支援した起業家60人

概要

小さな会社の経営者・起業家向けに、バーチャルアシスタントの採用から契約・給与・福利厚生までを一括で引き受け、業務委任を始めやすくするサービス。

ターゲット

小さな会社の経営者・起業家

主な打ち手

紹介で終わらせず、採用手数料なしで20時間トライアルを用意し、採用〜契約・給与・福利厚生までを一括代行して導入の不安と手間を下げた。

30秒で分かる

1起業家向けの2人が8か月でVA50人。

支援した起業家は60人

最初の4か月で利用者30社

毎月の継続売上は約450万円

2思い込みを外して市場を見た。

VAは専門業務は無理

英語や距離が不安

雇う失敗が怖い

3「紹介して終わり」をやめた。

契約、給与、福利厚生まで一括対応。

採用手数料は取らない。

まずは20時間だけ試せる。

4最初の種は別事業にあった。

起業家向けコンサルの運営でVAを活用。

周囲から相談が増えた。

500人以上に調査して確信した。

5伸びた理由は運用を絞ったこと。

体裁より顧客獲得を優先

サイトやロゴは最低限

紹介の人脈は大切にした

6この話の核心は不安の除去だ。

雇う側の手間と失敗を減らす。

働く側の条件も整えて定着させる。

両方を同時に設計した。


ストーリーの流れ

Problem

VAは便利でも専門性や言語・距離の不安で任せにくいという思い込みが根強かった。

  • 専門的な仕事は無理そう、英語が心配、海外だと話が進まないという懸念が残り続けていた。
Insight

ノートパソコンでできる仕事は場所が違っても本質は同じだと捉え直した。

  • VAの仕事はメール返信や予定調整だけではなく幅広い業務を任せられると考えた。
Action

紹介して終わりにせず雇用の手間を一括で引き受けるCoconut VAを設計した。

  • 契約手続き、給与の支払い、福利厚生までまとめて扱い経営者がつまずかないようにした。
  • 小さな会社の経営者や起業家が重要な仕事に集中できる状態を目指した。
Growth

立ち上げから8か月でVA50人と支援した起業家60人まで拡大した。

立ち上げから8か月初期拡大スピード
VA50人・支援した起業家60人供給側と顧客側の規模
  • 利用者は小さな会社やマーケ会社にとどまらず精神科医やライフコーチにも広がった。
  • 立ち上げから最初の半年で売上は伸び成長が止まらなかった。
Insight

Venture ValidatorでのVA活用が周囲の起業家からの相談増につながり事業機会になった。

  • 社内の仕組み作りにVAを活用するやり方が目に留まった。
  • 起業家が細かな作業から解放され事業拡大に集中できるようになった。
Action

500人以上の起業家に調査して需要を検証し手応えを得た。

500人以上需要検証の調査対象
  • 反応を確かめた結果は上々だった。
Action

Venture Validatorを最小限の運用に切り替え2021年8月にCoconut VAを開始した。

2021年8月事業開始時点
  • 検証で得た手応えをもとに新サービスへ軸足を移した。
Problem

人手不足とコスト上昇で経営者が抱え込みやすく週80時間働く状況が生まれやすかった。

  • 物価や人件費が上がり離職者も増える中で人材確保や外注が難しくなっていた。
  • 助けを得られるかどうかで事業の未来が大きく変わると捉えた。
Action

採用手数料なしでまずは20時間だけ試せる設計にして最初の不安を減らした。

  • 合わなければ時間もお金も無駄になるという恐れを下げる狙いだった。
  • 採用プロセスも代行し面倒で止まる状態をなくした。
Team

VA側の幸せを重視し長く働ける環境づくりを方針に据えた。

  • 利用者だけが得をする仕組みは長く続かないと考えた。
  • 主にフィリピンで採用し報酬を現地の一般的な賃金より高く設定した。
  • 健康保険、有給休暇、産休、年1回のボーナスも用意した。
Monetize

収益モデルは月契約でVAの時給の一部を受け取る形にした。

  • 初期のリスクを引き受け長い関係を育てることに力を注いだ。
  • 信頼を積み上げながら利益が生まれる仕組みだと位置づけた。
Insight

経営者側がVAに任せられる範囲を知らないことが普及の壁になっていた。

  • VAが担えるのは事務や受付だけではなくデザインや営業関連まで広いと整理した。
  • 会社によって必要な業務は異なり1人が複数の役割を担うこともあると捉えた。
Action

どんな仕事を外に出せるかを具体化して示し情報発信で利用者を支援した。

  • 人を紹介するだけで終わらせず自社に当てはめられるようにサポートした。
  • 起業家の知識を広げることにも力を入れた。
Action

完璧より先に動かすため運用を最小限にして顧客獲得と紹介による拡大に集中した。

  • 商品が求められていると確かめるまでは仕組みを必要最低限にとどめた。
  • 最初の契約が決まるまでは体裁より売上を優先した。
  • サイトや体験設計にこだわりすぎて公開が遅れる反省を活かした。
Monetize

4か月で利用者30社となり毎月の継続売上は約450万円($30,000)まで伸びた。

4か月で利用者は30社初期顧客獲得
毎月の継続売上は約450万円($30,000)MRR規模
  • 外部資金に頼らず自分たちの売上だけで成長した。
Scale

立ち上げから8か月ほどでブランド作りに本格着手し急増にも対応できる体制を整えた。

  • 広告を出す前に方向性を固めサイトを作り直しロゴも整えた。
  • 対応体制が整ったからこそ次の投資に踏み出せる状態になった。
Scale

創業者がいなくても回る仕組みを作るため交互に業務から離れて耐性を検証した。

  • 創業者がボトルネックにならない状態を作り戦略に力を注げる体制を狙った。
Team

社内運営もVAが担い営業から採用まで幅広い業務がVAで回る形になった。

  • この会社自身もVAを積極的に活用している。
  • 営業、顧客対応、給与の支払い、採用などをVAが担った。
Scale

創業1か月後に2週間仕事を完全に遮断しても事業は止まらず不在の間に伸びた。

  • どこが止まるかを確かめる目的で実施した。
  • 任せた仕事は引き継がれより重要な仕事に集中できるようになった。

「VA(バーチャルアシスタント)は便利そう。でも専門的な仕事は任せにくいし、英語や距離の不安もある」——そんな思い込みは、いまも根強い。

それでもCoconut VAは、立ち上げから8か月でVA50人・支援した起業家60人まで拡大した。何が違ったのか。鍵は「紹介して終わり」にしない設計と、経営者が最初の一歩を踏み出しやすくする仕組みにあった。

バーチャルアシスタントの常識をひっくり返したCoconut VA

バーチャルアシスタント(VA)と聞くと、便利そうなのに不安を感じる人は多い。「専門的な仕事は無理そう」「英語が心配」「海外だと話が進まない」——そんな思い込みが、ずっと残り続けていた。

エリックとタイラーは、そこに違和感を覚えた。

ノートパソコンでできる仕事なら、誰のノートパソコンでもできる。場所が違っても、やり方が違っても、本質は同じだ。VAの仕事はメール返信や予定調整だけではなく、もっと幅広い業務を任せられる。

そう考えた2人が作ったのが、Coconut VAというサービスだ。小さな会社の経営者や起業家が、日々の細かい作業から手を離して、本当に大切な仕事に集中できるようにすることを目指した。

しかもVAを紹介するだけで終わらない。契約手続き、給与の支払い、福利厚生まで一括して引き受け、経営者が「人を雇う手間」でつまずかないよう設計した。

立ち上げから最初の半年で売上は伸び、成長は止まらなかった。8か月の時点でVAは50人、支援した起業家は60人。利用者は小さな会社やマーケ会社にとどまらず、精神科医やライフコーチにまで広がっていった。

最初の会社が、次の会社の種になった

エリックは大学で起業を学び、いくつかの失敗も経験した。その後に立ち上げたのが、起業家向けコンサル会社のVenture Validatorだ。

アンケートなどを活用してアイデアの需要を素早く検証し、「誰に」「何を」作るべきかを明確にして、最小限の試作品を改善しやすくする——遠回りを減らすことが仕事だった。

タイラーは最初、その会社にインターンとして入った。力を発揮し続けて正社員になり、右腕となり、最終的には共同創業者になった。肩書きが上がったというより、仕事を通じて信頼を積み上げた結果だった。

Venture Validatorでは、社内の仕組み作りにVAを活用していた。そのやり方が周囲の起業家の目に留まり、「同じようにVAを探したい」「どうやって任せているの?」という相談が増えていった。

相談した起業家たちは細かな作業から解放され、事業拡大に集中できるようになった。2人は気づく——VAを紹介すること自体が、ひとつの事業になると。

そこでいつものやり方で検証した。500人以上の起業家に調査し、反応を確かめた。結果は上々だった。

手応えを得た2人はVenture Validatorを最小限の運用に切り替え、2021年8月にCoconut VAを始めた。

人手不足の時代、経営者は抱え込みやすい

物価も人件費も上がり、離職者も増える。そんな状況の中で、優秀な人材を確保したり外注したりするのは難しくなっていた。

結果として、経営者がすべてを抱え込み、週80時間働く——そんな状況が生まれやすくなっていた。

しかし、助けを得られるかどうかで、事業の未来は大きく変わる。

エリックはこう言う。適切なVAと組めれば、生活が変わる。抱えていた作業を手放し、重要な判断や成長のための仕事に時間を使えるようになるからだ。

ただ、VAを雇う決断は怖い。合わなければ、時間もお金も無駄になる。忙しい人ほど、その失敗は痛手だ。しかも世の中には、紹介会社が高い採用手数料を取り、長期契約を求めるケースも多い。VAが本当に必要かどうか確信が持てない段階で、大金を払うのは難しい。

そこでCoconut VAは、最初の不安を減らす設計にした。採用手数料は取らず、まずは20時間だけ試せる。短く試せるから、最初の一歩のハードルが下がる。

必要なVA像の整理、候補者の選別、面接などの採用プロセスもCoconut VAが代行する。契約手続き、給与の支払い、健康保険などの福利厚生まで一括して扱い、「面倒で止まる」状態をなくした。

利用者だけ得をしても、長続きしない

2人がもうひとつ大切にしたのは、VA側の幸せだった。

利用者だけが得をする仕組みは長く続かない。働く側が疲弊したり生活が不安定だったりすれば、結局サービス全体が弱くなる。

Coconut VAは主にフィリピンでVAを採用している。安定した収入によって早期に自立できる人もおり、大学を出た同年代より高い収入を得る人もいる、とエリックは見ていた。

報酬は現地の一般的な賃金より高く設定し、健康保険、有給休暇、産休、年1回のボーナスも用意した。短期の労働力として扱うのではなく、長く働ける環境を整えることを方針とした。

利用者側にも利点がある。入れ替わりの激しいインターンと違い、同じ人と長く働けるため、育成に時間をかけられる。慣れてくれば、長期的な利益につながる仕事まで任せられるようになる。

外注は最初にトラブルが起きやすい。Coconut VAは初期のリスクを引き受け、長い関係を育てることに力を注いだ。収益モデルは月契約でVAの時給の一部を受け取る形で、時間をかけて信頼を積み上げながら利益が生まれる仕組みだ。

VAができる仕事は、思っているより広い

VAを必要としている経営者は多い。しかし、使いこなしている人はまだ少ない。

Coconut VAには毎週多くの応募があり、優秀な人材が集まっていた。それでも課題があった。経営者側が「VAに任せられる範囲」を知らないことだ。

VAが担えるのは事務や受付だけではない。デザイン、営業の連絡対応、電話での新規開拓、法人向け営業なども任せられる。会社によって必要な業務は異なり、1人が複数の役割を担うこともある。

だからCoconut VAは、人を紹介するだけで終わらせない。「どんな仕事を外に出せるか」を具体的に示し、利用者が自社に当てはめられるようにサポートする。2人は情報発信を続け、起業家の知識を広げることにも力を入れた。

完璧より、まず動かす

起業家は迷う。完璧にしたい。でも早く進めたい。

エリックはかつて、完璧主義に引きずられて動きが遅くなることがあった。そこから抜け出すために選んだのが、「運用を最小限にする」という考え方だ。

商品が本当に求められていると確かめるまでは、会社の仕組みを必要最低限にとどめる。最初から完璧な仕組みを作るより、学ぶために必要な最小限の仕組みを作る。実際にお金を払う利用者が現れてから、自動化や整備を進めればいい。

Coconut VAも最初は、顧客獲得と紹介による拡大に集中した。最初の契約が決まるまでは、体裁を整えるより売上を得ることを優先した。

結果、4か月で利用者は30社、毎月の継続売上は約450万円($30,000)まで伸びた。外部資金に頼らず、自分たちの売上だけで成長した。

前の会社での反省も活きていた。サイトのデザインや色、細かな体験設計にこだわりすぎると、いつまでも公開できない。Coconut VAでは、遅すぎるより早く出すことを選んだ。

初期のサイトは最低限で、ロゴもシンプル。それでも信用は必要なので、人脈からの紹介は大切にした。ただ、すぐ売上につながりにくい作業に時間を取られすぎないよう意識した。

立ち上げから8か月ほど経って、ようやくブランド作りにも本格的に取り組み始めた。広告を出す前に方向性を固め、サイトを作り直し、ロゴも整える。急に利用者が増えても対応できる体制が整ったからこそ、次の投資に踏み出せる状態になった。

創業者がいなくても回る会社へ

「運用を最小限にする」考え方の中でも特に重要なのが、創業者がいなくても回る仕組みを作ることだった。

Coconut VAでは、創業者が交互に業務から離れ、仕組みが壊れないかを試した。

この会社自身もVAを積極的に活用している。営業、顧客対応、給与の支払い、採用など幅広い業務をVAが担い、日々の運営はVAによって回る形になっていた。

エリックは創業1か月後に休暇を取り、2週間仕事を完全に遮断した。どこが止まるかを確かめるためだ。しかし事業は止まらなかった。それどころか、不在の間に伸びた。

任せた仕事はしっかり引き継がれ、エリックはより重要な仕事に集中できるようになった。タイラーが休暇を取ったときも同様で、さらに大きな責任まで引き継ぐことができた。

こうして創業者がボトルネックにならない状態を作り、戦略に力を注げる体制を整えた。

Coconut VAにとってVAは、サービスの中心であるだけでなく、会社運営にも欠かせない存在となった。

エリックは、東南アジアを旅しながら、フィリピンのVAと同じ給料・労働時間で1か月生活する計画も立てた。現場の気持ちを理解し、より良い会社にするためだ。

Coconut VAは利益だけを追わない。人を大切にし、どこに力を注げば最も良い影響が生まれるかを考えながら、成長を続けている。