家計はギリギリで、子どもは2人。疲れた夜にソファでSNSを眺めながら、「明日が良くなる手ごたえがない」と感じていた。
怪しい投稿に半信半疑で反応し、遠回りを重ねても結果は出ない。そんな停滞と不安の中で、彼が選んだのは「文章を書くこと」と「DMを送ること」だった。
やがて、たった1か月でフォロワーが4万人増える転機が訪れる。ここから、広告費をかけずにコンテンツ制作の仕事を大きくしていった道のりが始まる。
お金がなかった父親が、DM一本でコンテンツ会社を大きくした話
クリフトンは、ある夜ソファに座って、ただSNSをぼんやり眺めていた。仕事で疲れていて、家計はギリギリ。子どもは2人いるのに、貯金は増えない。明日が良くなる手ごたえもない。
その時間が、あとで人生の分かれ道だったと気づくことになる。
苦い過去からのスタート
クリフトンはアメリカのアラバマ州で育った。家庭の事情は複雑で、幼いころに母親を亡くし、生まれてすぐ養子になった時期もある。若いころは薬物の問題も抱えた。まっすぐな道ではなかった。
それでもフットボールをきっかけに、生活を立て直した。「同じような苦しい流れから抜け出した最初の一人になれた」と後に語っている。
社会に役立つ仕事がしたくて、非営利の分野で教育や寄付集めの仕事を7年ほど続けた。だが、理想と現実は違った。家族を養うには収入が足りない。頑張っても、先が見えない。
「週1000ドル稼いだ」その一言が刺さった
ある夜、SNSでこんな投稿が目に入った。
「ネットで週に約15万円($1,000)稼いでる」
怪しいと思った。それでも気になって、少しだけお金を払って教材を買った。
開いてみると中身は、拍子抜けするほど普通だった。特別な裏技はない。誰でも言いそうなことばかり。
けれど、そこで火がついた。
「この程度なら、自分でも試せるかもしれない」
家族に「何してるの」と聞かれて、思わず「SNSのアカウント作る」と答えた。自分でもまだ、何をどうするかははっきりしていなかった。
遠回りの連続。そして、文章に絞った
最初はネット物販なども試した。だが、うまくいかない。思ったより難しい。時間だけが過ぎていく。
そこで2022年のはじめ、方向を変えた。
SNSで文章を書く。毎日投稿する。そこに集中する。
派手なことはしない。ただ、読んだ人の役に立つように書く。自分の考えを言葉にして積み上げる。
1か月でフォロワーが4万人増えた
文章投稿を続けていると、ある月に一気に伸びた。たった1か月でフォロワーが4万人増えた。
このとき確信した。
文章には、人を集める力がある。
そして次に考えたのは、自分のためだけじゃない使い方だった。
「他人のために文章を書けば、仕事になる」
こうして、コンテンツ制作の仕事が形になり始める。
最初の200ドル。そして月4000ドルの契約
最初のクライアントは海外のフィットネストレーナーだった。報酬は約3万円($200)。大金ではない。でも、初めて「文章でお金をもらった」瞬間だった。
次に来たのが大きい。リーダーシップのコーチをしている起業家から依頼が入った。月約60万円($4,000)でSNS運用をまとめて任される契約だった。
投稿文だけでなく、長文投稿も含めて一式を担当した。
結果は出た。16週間でフォロワーが大きく伸びた。実績ができると、次の依頼は呼び込みやすくなる。仕事が仕事を連れてくるようになった。
広告を出す金がない。だからDMを送った
会社を広げたい。でも広告に使えるお金がない。
なら、やることは一つだった。
DMを送る。
クリフトンは、1日に100通のDMを送ることもあった。体力と時間で勝負するやり方だ。断られることも多い。それでも送る。返事が来たら丁寧に話す。
最初は、自分のSNSが伸びていること自体が看板になった。「自分で伸ばせた」という証拠がある。だから相手も頼みやすい。
月500万円規模になっても、すぐ辞めなかった
事業の売上が大きくなっても、クリフトンはすぐに本業を辞めなかった。昼は会社の仕事、夜と早朝に自分の事業。きつい生活を続けた。
そして2023年4月、ようやく仕事を辞めて一本に絞った。そこから売上はさらに伸びた。
約1,500円($10)の簡易サイトから、ちゃんとした会社へ
最初のころ、名刺代わりのサイトは約1,500円($10)程度で作った簡単なものだった。個人がノートパソコン一台でやっている感じが強く、相手は不安になりやすい。
そこで方向転換する。
「本物の会社に見える状態」を作る。
ロゴ、色、言葉の選び方、サービスの見せ方、サイトの動画。全部整えた。見た目だけではない。相手が安心して頼める形にした。
すると、相談してくる人の層が変わった。小さな依頼が中心だったのが、大きな会社を動かす経営者が相手になっていった。作り直しの後、売上はまた伸びた。
伸び続けた理由は「中身を仕組みにした」こと
忙しい経営者ほど、求めるのは「安心感」と「任せて大丈夫か」だ。やる気より、きちんと進む仕組みを見ている。
クリフトンの会社が強くしたのは、コンテンツ制作を仕組みにすることだった。
特に難しいのは、別の人の名前で文章を書くことだ。文章は、その人らしい言い方でなければいけない。本人が読んで「これ自分の言葉だ」と思えなければ公開できない。
だから、声のトーン、考え方、言い回しを理解し、迷わず作れる手順を作った。その仕組みができると、継続して任せたい人が増え、紹介も生まれやすくなった。
「こっそり代筆」から「チームとして支える」へ
最初は、代筆していることを外に出さない仕事が中心だった。だがそれでは実績を表に出せない。会社として強くなりにくい。
そこで、完全な代筆だけでなく「コンテンツ制作チームとして支える」形に広げた。もちろん非公開を望むクライアントもいる。それでも公開できる実績が増えるほど、信頼は積み上がる。
さらに、単発の投稿作成ではなく、商品発売や新企画のタイミングに合わせて、コンテンツ全体を支えるチームになることを目指した。だから関係が長く続く。
次の狙いは「個人ブランドの全部入り」
これからは経営者向けに、個人ブランド作りをまとめて支える場所になりたいと考えている。
SNSだけではない。ニュースレター、動画、外向きの連絡の仕組み、狙った相手のリスト作り、DMでのつながり作りまで。全部を一つの窓口で進められる形だ。
会社の中だけで全部そろえるのは大変だ。だからまとめて任せたい需要がある。
「終わった」と思った瞬間もあった
うまくいかない時期は何度もあった。仕事を辞めた直後に雇った人が重要な仕事を担当したが、品質が安定しない。結果としてクライアントが離れてしまった。
そのときは関係を終える決断をした。つらい判断だった。それでも会社を前に進めるには必要だった。
この経験で、仕事の流れを整え、運営を支える役割も入れ、仕組みを強くしていった。
さらにSNSは、ルールや表示の仕組みが急に変わる。ある変更で今までのやり方が通用しなくなり、徹夜で新しい方法を探したこともある。
だからこそ、SNSだけに頼らず、メールのリストも作るべきだと勧めている。SNSが変わっても、連絡手段が残るからだ。
仕事を支える道具は、増やしすぎない
- 仕事の管理と社内整理のツール
- SNS投稿の予約・管理ツール
- ニュースレター配信の仕組み
- 必要に応じてDM連絡を助ける道具
大事なのはツールの数ではなく、ちゃんと回る形にすることだと考えている。
大事にしている考え方
クリフトンが強く持っているのは、「お客の想像を超える体験を届ける」という考えだ。
目立つ一発より、細かい場面の気配り。そこを積み重ねて信頼を作る。会社の強さはそこに出る。
これから始める人への言葉
まずはスキルを一つ選び、それに集中する。スキルが身につくには時間がかかる。焦っても近道は少ない。
伸びない理由は、多くの場合「必要なスキルが足りない」ことにある。売るのが苦手、作るのが苦手、届け方が分からない。どこかに穴がある。
得意なことを見つけ、誰かの困りごとを解決できる形にする。足りない部分は学んで埋める。その積み重ねで次の段階に進める。
コミュニティが背中を押した
起業家コミュニティに入ったことで、挑戦が進んだ。会ったこともない相手と一緒にサービスを立ち上げ、毎月の売上を大きくした経験もある。
集まりに参加して、「自分はここにいていいのか」という不安も小さくなった。成功している人でも悩む。みんな考えながら進んでいる。それが分かったからだ。
大事なのは、お金だけではない。どんな影響を与えたいのか、どう生きたいのかを考え続けることだと、クリフトンは捉えている。
まとめ
クリフトンのスタートは恵まれていなかった。家計は苦しく、未来はぼんやりしていた。
それでも、SNSで文章を書き続け、DMで仕事を取り、実績を積み、会社としての見せ方と中身の仕組みを整えた。その積み重ねが、信頼される存在につながった。
派手な裏技ではない。地道な投稿。丁寧な仕組み作り。相手の立場に立ったサービス。これが長く強い会社を作った。
