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Story 元マーケター初起業D2Cアイデア段階初売上達成30代

【実録】「たった1日で5社決まった」人手不足→100日で売上急伸の条件

6 min read2026年2月18日
【実録】「たった1日で5社決まった」人手不足→100日で売上急伸の条件

ビジネス概要

事業タイプMarketplace
概要フィリピンなど海外の契約マーケターを採用・育成して、成長したい企業に月単位で提供する。
ターゲット成長したいスタートアップやDTCブランド
規模感応募者は毎週およそ1000人集まる
主な打ち手採用の入口は広くしつつ「上位1%」だけを通す認定テストと面接の仕組みを作り、訓練・認定済み候補者が流れてくる採用育成パイプラインを構築した。
フェーズ拡大期

社内の人数が足りない。マーケティングはやることが多いのに、意思決定と作業が絡まり、前に進まない。

そんな停滞感を前に、打開策を探していた起業家ジェシー・プジーが選んだのは、華やかな資金調達でも、大規模採用でもなかった。

中学時代の親友にかけた一本の電話から始まった挑戦は、まだ何も完成していない段階で「たった1日で5社の顧客が決まる」という手応えにつながっていく。何が噛み合い、事業は動き出したのか。

中学の親友にかけた一本の電話が、会社の始まりになった

2021年2月。起業家でグロースマーケターのジェシー・プジーは、中学時代の親友アドリアン・シュワーガーに電話をかけた。

ただの近況報告じゃない。ジェシーの頭の中に何年も眠っていたアイデアを、今こそ形にするための電話だった。

アドリアンは投資会社で、人材採用の仕組みづくりや育成を長く担当してきた。その後は取引の仕事にも関わった。子どもが生まれたばかりで、保育園ビジネスを始めることも考えたが、条件が合わない。別の道がある気がしていた。

ジェシーは言った。「新しい形のマーケティング支援を作りたい。信頼できて、採用と人づくりに強い相棒が必要だ」

思い当たる相手は一人しかいなかった。アドリアンだ。

こうしてアドリアンは共同創業者として参加し、CEOを引き受けた。ジェシーは前に出るより、助言役に回った。会社の狙いはシンプルだった。フィリピンなど海外にいる優秀な契約マーケターを集め、成長したいスタートアップやDTCブランドにつなぐ。

アドリアンにはマーケティング経験も経営経験もほとんどなかった。それでも勝負できる武器があった。採用と育成。人を見つけ、鍛え、チームとして動かす力だ。

立ち上げから数日で会社は動き出した。約100日で売上は一気に伸びた。アメリカ側の少人数チームでも、複数の有名企業と取引できるところまで進んだ。目標は今も変わらない。世界中の企業に「上位1%レベルのマーケター」を届けることだ。

社内だけで全部やろうとすると、会社は遅くなる

ジェシーは大学卒業後、金融やコンサルで働いた。その後、2009年以降の10年で大きな実績を作る。資金調達に頼らず、自力で伸ばす形でグロースマーケティング会社を成功させた。

グロースマーケティングは、広告を大量に買って一気に売る考え方とは違う。SEO、SNS、アフィリエイトのように、時間をかけて積み上がる仕組みで売上や問い合わせを増やす。すぐには結果が出にくいが、長い目で見ると強い。

ジェシーはDTCブランドに投資し、毎日のように多くの会社と話した。そこで同じ問題に何度もぶつかった。

多くの会社が、マーケティングを社内チームだけで全部やろうとしていた。すると動きが遅くなる。重要な意思決定と、時間がかかる作業が一緒くたになり、いつも手が足りなくなる。

ジェシーの会社では仕事を切り分けていた。フィリピンのリモート契約スタッフが、動画編集、コンテンツ制作、メール更新など、手間はかかるが定型化しやすい作業を支える。その分、コアのメンバーは戦略や改善に集中できた。

ジェシーは考えた。「このやり方を、他社にも提供できる形にできないか」

フィリピンなどでグロースマーケターを採用し、月単位で企業に提供する。必要な人を集め、育て、すぐチームとして動かせる仕組み。そこまでイメージはできていた。

ただ一つ足りなかった。採用と育成を設計し、回し続ける専門性だ。その穴を埋められるのが、アドリアンだった。

アドリアンは、エンジニアに投資の取引を教える社内プログラムを作り、数百人規模の育成につなげた経験がある。ジェシーのマーケティングと、アドリアンの採用・育成が合わさったとき、アイデアは事業に変わった。

初日から手応えがあった。まだ何も完成していないのに

アドリアンは提案を10日ほど考えた末に決断した。参加する。

2人はすぐ動いた。ジェシーが知り合っていたDTCブランドを一覧にし、片っ端から電話をかけた。まだサービスがきれいに整っていない段階だったのに、たった1日で5社の顧客が決まった。

その瞬間からアドリアンは採用を始めた。数か月のうちに、フィリピン側のつながりも活かしながら、訓練と認定を終えた候補者が流れてくる仕組みを作った。

会社自身の最初のメンバーも、その育成プログラムから採用した。自分たちの手で品質を確かめながら進める。今もこの方針は変わらない。

アドリアンの考えははっきりしている。「採用は、必要になってから始めるものじゃない」

今すぐ雇わない時期でも、一定の時間を使って候補者とつながり続ける。そうしておけば、募集が必要になったときに素早く良い人を採れる。紹介も増えやすい。

実際、最初に担当したメンバーは顧客から高い評価を受けた。ただアドリアンは同時に反省もした。最初の採用と育成に、時間をかけすぎた。

仕事が見えるほど、「絶対に必要な条件」と「あったら良い条件」を分けることが重要だと分かったからだ。

たとえばデザイン。便利なツールが増え、専門家でなくても短時間でできる範囲が広がった。最初から条件を厳しくしすぎると、採用スピードが落ちる。市場が本当に求める力を見直すことで、配置を速くできるようになった。

その後、リモートで世界中から人を集める流れが強まり、需要が一気に増えた。さらに、有名なマーケター兼投資家が強いチーム作りにこの会社を活用し、紹介が大きな宣伝になった。

気づけば順番待ちができ、半年待ちになるほど注目を集めていた。

ただ海外に任せるだけじゃない。「上位1%」にこだわった

海外人材に仕事を頼むサービス自体は珍しくない。だがこの会社は、採用の入口を広くしても、通す人数は絞った。上位1%レベルだけを採る方針を貫いた。

顧客は半年待ちが続く。応募者は毎週およそ1000人集まる。入り口は求人媒体、SNS、紹介、広告など複数ある。

採用には条件がある。大卒であること。そのうえで短い認定テストと面接を通過する必要がある。テストと面接は複数回あり、スキルだけでなく、チームや文化に合うかも丁寧に見る。

この流れは改善され、全体で約2週間まで短縮されてきた。

任せる勇気が、会社も生活も守った

アドリアンはCEOとして働きながら、家族との時間も守ろうとした。その両方を成立させたのが、採用の経験と「任せる力」だった。

コントロールを手放せないと、恐れで動く経営になる。そうなると判断が鈍る。アドリアンはそう考えている。

だから必要になる前に、秘書役のような存在を雇う。雑務を渡すと、時間が大きく空く。最も価値のある資産は時間で、その時間を守れる。

会社の形も同じだ。固定の社員は少なくし、契約メンバーを厚くする。アメリカ拠点の少人数に対し、世界各地のメンバーが多数いる。売上が大きく伸びるまで、アメリカ側の正社員採用を後回しにした時期もあった。

2人は見ている。グロースマーケティング人材の世界的な需要は、これからさらに高まる。

仕事は世界に開かれていく。どの会社のどの部署にも、手作業や定型作業を支える「グロースアシスタント」が必要になる。だからこそ、世界規模で採用し、育て、配置する仕組みを広げ続けている。