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無名の男が「受託を完全にやめて商品化しただけ」で年商1億5,000万円。コンテンツ制作事業の禁断の設計

9 min read2026年3月13日
無名の男が「受託を完全にやめて商品化しただけ」で年商1億5,000万円。コンテンツ制作事業の禁断の設計

ビジネス概要

事業タイプ

Agency

フェーズ

拡大期

規模感

年商約1億5,000万円($1,000,000)

概要

質の高いコンテンツ制作と信頼性の高いリンク提供をパッケージ化して、オンライン事業のSEO施策を代行するサービス。

ターゲット

社内にマーケ/SEO担当がいるオンライン事業者のマーケティング責任者

主な打ち手

SEOの成果保証ではなく「コンテンツ+リンク」を納品物が明確なパッケージ商品として設計し、大量コンテンツなどメニュー拡張と対象業種拡大(SaaS以外・ホワイトラベル提携)を行った。

30秒で分かる

1共同創業者がCEOを引き継ぎ年商約1億5,000万円。

年商約3,800万円($250,000)を引き継ぎ

12か月で毎月800社以上が利用

目標を年商約1億5,000万円に置いた。

2創業者は前に出ない期間があった。

共同創業した後も、創業者は投資家・助言者寄りだった。

2021年8月にCEOを引き継いだ。

3得意手順を「売れる形」にした。

「質の高いコンテンツ」と「信頼されるリンク」が強み

仕組みを売る発想に切り替え

顧客ごとの要望対応を避けた。

4受託をやめて商品として売った。

買い方をシンプルにした

納品物を明確にした

成果保証ではなく提供物で判断できる形にした。

5初期成長は手作業の営業で作った。

LinkedInと知人経由で最初の顧客を獲得

SaaS企業3万社にメール営業

成約率は低いが、積み上げで安定した。

6本質は高い目標が運営を変える。

年商約1億5,000万円を期限つきで掲げた。

伸びた後は営業を止め、8か月で体制を作り直した。

チームは3人から13人へ

ライターは26人から105人へ

伸ばすだけでなく、回る形が必要だった。


ストーリーの流れ

Insight

創業者が前線に立ち続けるとは限らず、Contentellectもその葛藤の中にあった。

  • 共同創業者のマーク・ホイットマンは創業後数年間、投資家・助言者として関わるにとどまっていた。
Team

2018年2月に友人のマーク・ブロムホールと共同創業し、役割分担で運営を回した。

2018年2月共同創業
  • マークが戦略と資金面を担い、ブロムホールが日々の運営を担当した。
Insight

受託型の不確実さを避けるため、買い方がシンプルな「商品」として設計する方針を取った。

  • 顧客ごとに要望が変わる代理店型の大変さをコンサル時代の経験から理解していた。
  • SEOは成果が予測しにくく保証が難しいため、成果ではなく提供物を明確にする方向へ切り替えた。
Action

質の高いコンテンツと信頼性の高いリンクをパッケージ化して提供するサービスにした。

  • 買う側も売る側も判断に迷わない形で「納品物が明確な商品」として売る設計にした。
Action

最初の顧客はLinkedInや知人経由で獲得し、ソフトウェア企業へのメール営業を開始した。

  • 手作業で企業情報を集めてSaaS企業3万社のリストを作成し、複数メールの自動送信で見込み客を増やした。
  • 成約率は高くないが、月ごとの契約が積み重なり安定した売上の土台が生まれた。
Growth

2020年後半に月約300万円の継続売上に達し、年換算で約3,800万円規模になっていた。

月約300万円($20,000)の継続売上継続売上規模
年換算で約3,800万円($250,000)規模年商規模
  • このころブロムホールは事業売却を考えるようになった。
Team

2021年7月にブロムホールの持ち分を買い取り、翌日から経営を引き継いだ。

2021年7月持ち分買い取り
  • 感染症の流行で旅行業界の事業が打撃を受けた一方、マークは資金を背景に既存事業を引き継ぐ判断をした。
  • 主要な社員に日々の運営を6か月間任せる準備も整えていた。
Action

2021年8月にCEOを引き継ぎ、年商約1億5,000万円まで伸ばす期限つき目標を掲げた。

2021年8月CEO引き継ぎ
年商約1億5,000万円($1,000,000)目標年商
  • 年商約3,800万円規模の会社を年商約1億5,000万円まで伸ばすというシンプルな目標にした。
Growth

目標設定から12か月で毎月800社以上がサービスを利用する状態になった。

毎月800社以上月間利用企業数
  • Contentellectのコンテンツやリンク提供を頼る企業が増えていった。
Action

記事制作に加えてリンク構築や記者へのアプローチも含む包括的なSEO支援へと拡大した。

  • サービスの幅を広げることを引き継ぎ後の最初の打ち手に据えた。
Monetize

大量の記事をまとめて制作するプランを用意し、ブログ1,000本のような大規模案件を一括価格で提供できるようにした。

  • 小さな分野なら50〜100本でも形になるが、大きな分野では100〜1,000本が必要になることもあるという前提で設計した。
Scale

顧客層をSaaS企業からオンライン事業全般へ広げ、ホワイトラベル形式でSEO代理店とも提携した。

  • ライター部門を持たない代理店や書き手が不足している代理店に制作力を提供する形を取った。
Action

営業メール中心の集客から転換し、検索流入を狙ってサイトを作り直しブログの大規模コンテンツ計画を立てた。

  • 見込み客が検索しそうなキーワードを狙う方針に切り替えた。
Growth

2021年10月に月約1,100万円を超える売上に到達し、継続売上も月約450万円まで伸長した。

2021年10月には月約1,100万円($70,000)を超える売上月次売上
継続売上も月約450万円($30,000)継続売上
  • 新たに始めたリンク構築サービスもゼロから月約450万円規模まで成長した。
  • 大量コンテンツのメニューにより月に1〜2社の新規契約でも大きな売上につながるようになった。
Problem

急成長でチームも仕組みも追いつかず運営が限界に近づいた。

  • サービス業は顧客が増えるたびに担当者やライター、管理の手が必要になる構造が負荷を増やした。
Action

営業と集客の仕組みをいったん止め、8か月間で採用と教育と運営整備を進めた。

  • 管理職の層も厚くし、拡大に耐えられる体制に作り直した。
Team

体制再構築でチームは3人から13人へ拡大し、ライター登録は26人から105人へ増えた。

チームは3人から13人へフルタイム体制
ライター登録は26人から105人へライター体制
  • 105人の質を担保するために1,000人以上を審査し、文章テストや面接で選び抜いた。
Growth

2022年3月に月約1,200万円という新たな節目に到達した。

2022年3月には月約1,200万円($80,000)月次売上
  • 売上の約40%は月額契約で約60%は単発の支払いだが、単発でも繰り返し依頼する顧客が多い状況である。
Monetize

売上のばらつきを抑えるため月額契約比率を高める方針を置いた。

  • 2022年4月から7月にかけては月約1,100万円前後を維持している。
Scale

フルタイム13人とライター105人の体制で年商約1億5,000万円規模に到達するのが理想の姿である。

年商約1億5,000万円($1,000,000)理想の年商規模
  • 会社を必要以上に大きくせず他の事業にも時間を使える余裕を残したいという意図がある。

創業者がそのまま経営者として走り続ける――。スタートアップの世界では、そんなイメージが先行しがちです。

でも実際には、作った人が舵を握り続けるとは限りません。投資家や助言者として関わりながら、「自分が前に出るべきか」と迷い続ける時間があることも珍しくありません。

Contentellectも、そんな葛藤の中にありました。年商約3,800万円($250,000)規模の会社を引き継ぎ、年商約1億5,000万円($1,000,000)へ。期限つきの目標を掲げた先で、毎月800社以上がサービスを利用する状態へと変わっていきます。

高い目標が、会社の景色を変えた

スタートアップの世界では、創業者とCEOが同一視されることがあります。でも実際は、最初に会社を作った人がずっと前線で指揮を取るとは限りません。

Contentellectというコンテンツ制作サービスを共同創業したマーク・ホイットマンも、まさにそのケースでした。創業後数年間、マークは投資家・助言者として関わるにとどまり、日々の運営の中心にはいませんでした。

転機は2021年8月。共同創業者からCEOを引き継ぐことになります。

引き継いだ直後に掲げた目標はシンプルでした。年商約3,800万円($250,000)の会社を、年商約1億5,000万円($1,000,000)まで伸ばす。

それから12か月。目標は現実味を帯び、毎月800社以上がContentellectのコンテンツやリンク提供を頼るようになっていきました。

得意なやり方を「サービス」に変える

マークは2010年から、外部資金に頼らず自己資金で事業を育てる起業家として歩んできました。南アフリカ出身で、世界各地で暮らしながら働き、現在は家族とともにフランス沖のガーンジー島に住んでいます。

これまでに立ち上げた事業は5つ。ソフトウェアから旅行系サイトまで幅広く、いくつかは年商6桁まで成長し、今も関わり続けています。

その成功の要因として、マークがいつも挙げるのは次の2つです。

  • 質の高いコンテンツ
  • 信頼されるサイトからのリンク

起業前は経営コンサルティングに従事し、早い時期からデジタルノマドに近い働き方も実践していました。

マークが好んで使っていたのが、生活費の高い地域から安い地域へ移るという戦略です。支出を抑えることで、身軽なまま挑戦できる状態を維持しました。東南アジア、メキシコ、中米、東欧など、生活費の安い地域を拠点にしながら事業を進めていきました。

ある本に背中を押され、マークは「自分の事業をやる」と決意します。

最初に取り組んだのは冒険旅行の分野でした。複数のコンテンツサイトを立ち上げ、成果報酬型広告や広告収入で成長させていきます。サイト運営の作業はフリーランスのチームで分担し、南アフリカの人材を手ごろなコストで採用して回していました。

うまくいき始めると、周りからの質問が増えました。

「良い記事ってどう作るの?」
「リンクってどう集めるの?」
「コンテンツサイトってどう始めるの?」
「成果報酬型の広告ってどうやるの?」

マークにはすでに、記事を量産できるチームと仕組みがありました。なら、その仕組み自体を売ればいい。そう考えるのは自然な流れでした。

受託っぽさを消して、「商品」にした

ただしマークは、よくある受託型の代理店にはしたくありませんでした。コンサル時代に、顧客ごとに要望が変わる仕事の大変さを身をもって知っていたからです。

Contentellectを成り立たせるには、2つの条件が必要だと考えました。

  • 買い方がシンプルで、納品物が明確な「商品」として設計する
  • 日々の運営を任せられる人物と組む

多くの代理店は顧客ごとにサービスを作り替えます。しかし顧客が本当に求めているのは、作業の中身ではなく結果であることがほとんどです。特にSEOは「検索で上位に表示されたい」が目的になりやすい。

問題は、SEOの成果が予測しにくいこと。効果が出るまで数か月かかることもあり、確実な保証はできません。

そこでマークは、成果を約束するのではなく、提供物を明確にする方向へ切り替えました。SEOの土台となる「質の高いコンテンツ」と「信頼性の高いリンク」を、わかりやすいパッケージとして売る。これなら買う側も売る側も判断に迷いません。

運営を任せる相手として声をかけたのが、6歳のころからの友人、マーク・ブロムホールでした。ブロムホールは新しい挑戦を探していたところで、2018年2月、2人でContentellectを共同創業します。

役割は明確に分けました。マークが戦略と資金面を担い、ブロムホールが日々の運営を担当しました。

最初の顧客は、つながりと地道な営業から生まれた

最初の顧客はLinkedInや知人経由で獲得しました。そこからさらに、ソフトウェア企業へのメール営業も開始します。

手作業で企業情報を集め、SaaS企業3万社のリストを作成。時間差で自動送信される複数のメールを組み合わせ、見込み客を増やしていきました。

成約率は高くありませんでした。それでも一定数の新規顧客が入り続ける流れは作れ、月ごとの契約が積み重なることで安定した売上の土台が生まれました。

CEO交代は、静かに、でも決断は重かった

2020年後半、Contentellectは月約300万円($20,000)の継続売上に達し、年換算で約3,800万円($250,000)規模になっていました。

このころブロムホールは「事業を売却したい」と考えるようになります。代理店型の運営に気持ちが乗らなくなり、別のことに挑戦したくなったのです。

2人は売却準備を進めましたが、そのタイミングで感染症の流行が広がりました。旅行業界にも関わっていたマークは、そちらの事業が大きな打撃を受けます。

一方でマークには、長年積み上げた資金がありました。新しい事業に飛び込むより、すでに内情を理解しているContentellectを引き継ぐ方がリスクは低い。そう判断し、2021年7月にブロムホールの持ち分を買い取りました。

もともと2人は毎月1回、数字・戦略・社員について話し合っていたため、マークは会社の状況を把握していました。価格を決めて支払い、翌日から経営を引き継ぐ。大きな混乱は起きませんでした。

さらに、主要な社員に日々の運営を6か月間任せ、引き継ぎがスムーズに進むよう準備も整えていました。

CEOになったあと、マークには選択肢がありました。会社を維持しながら他の事業に集中する道もある。しかしマークはContentellectに注力することを選び、期限つきの目標を設定します。

2022年12月までに年商約1億5,000万円($1,000,000)へ。18か月での達成を目指しました。

サービスを広げ、市場も広げた

引き継いでからマークがまず取り組んだのは、サービスの幅を広げることでした。記事制作だけでなく、リンク構築や記者へのアプローチも含む、より包括的なSEO支援へと拡大します。

さらに「大量の記事をまとめて制作する」プランも用意しました。ブログ1,000本のような大規模案件を一括価格で提供できるようにしたのです。

この大量コンテンツが人気を集めます。ある分野で第一人者として認められるには、多くの情報を発信する必要があります。まず対象分野の検索キーワードを洗い出し、関連するものをグループ化する。すると書くべきテーマが自然と見えてきます。

小さな分野なら50〜100本でも形になりますが、大きな分野では100〜1,000本が必要になることもあります。月に数本ずつ公開するだけでは変化が小さく、短期間で高品質な記事を大量に投入する方が上位を狙いやすい。ゼロから始めるなら、月30〜50本のペースが求められることもあります。

顧客層も広げました。当初はSaaS企業に絞っていましたが、社内にマーケ担当やSEO担当がいるオンライン事業全般へと提供範囲を拡大しました。

さらに、他社ブランドとして納品するホワイトラベル形式でSEO代理店とも提携するようになりました。ライター部門を持たない代理店や書き手が不足している代理店に対し、Contentellectが制作力を補う役割を担います。

集客方法も見直しました。以前は営業メールが中心で、検索からの流入はほとんどありませんでした。そこで見込み客が検索しそうなキーワードを狙ってサイトを作り直し、ブログの大規模なコンテンツ計画も立てました。

伸びたからこそ、崩れかけた

取り組みは数字に表れました。2021年10月には月約1,100万円($70,000)を超える売上に到達し、継続売上も月約450万円($30,000)まで伸長。新たに始めたリンク構築サービスも、ゼロから月約450万円($30,000)規模まで成長しました。

大量コンテンツのメニューが加わったことで、月に1〜2社の新規契約でも大きな売上につながるようになりました。

しかし急成長は、弱点もあぶり出します。

チームも仕組みも追いつかず、運営が限界に近づきました。ソフトウェアのように顧客が増えてもコストがほぼ変わらないビジネスとは違い、サービス業は顧客が増えるたびに人手が必要になります。担当者、ライター、管理の手――すべてが必要でした。

そこで一度、営業を止めました。集客の仕組みもいったん停止します。

そこから8か月間、採用と教育を進め、運営の仕組みを整備しました。管理職の層も厚くし、拡大に耐えられる体制に作り直したのです。

チームは3人から13人へ。ライター登録は26人から105人へと増えました。105人の質を担保するために、1,000人以上を審査し、文章テストや面接で選び抜いています。

次は「安定」を取りにいく

こうした努力の結果、2022年3月には月約1,200万円($80,000)という新たな節目に到達しました。売上の約40%は月額契約、約60%は単発の支払いですが、単発でも繰り返し依頼する顧客が多い状況です。

次の課題は、月ごとの売上のばらつきを抑え、安定させることでした。2022年4月から7月にかけては、月約1,100万円($70,000)前後を維持しています。

体制が整い、再び営業を強化できる段階に入りました。2022年12月までに月約1,300万円($85,000)を目指し、そのうち半分以上を月額契約にしたいと考えています。

マークが目指すのは、会社を必要以上に大きくしないことです。他の事業にも時間を使える余裕を残したい。フルタイム13人とライター105人、この体制で年商約1億5,000万円($1,000,000)規模に到達する。それがContentellectにとっての理想の姿になっています。