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燃え尽きた元テレビ局員が「創業者の物語を代わりに走って売る」で創業初日から黒字。9か月で1人→15人に増やしたスタートアップPRの禁断の設計

7 min read2026年3月29日
燃え尽きた元テレビ局員が「創業者の物語を代わりに走って売る」で創業初日から黒字。9か月で1人→15人に増やしたスタートアップPRの禁断の設計

ビジネス概要

事業タイプ

Agency

フェーズ

拡大期

規模感

9か月ほどで1人の会社が15人のチームになった

概要

スタートアップ創業者の物語を言語化し、広告ではなくメディア取材・記事化につなげるPR支援を代行する。

ターゲット

スタートアップの創業者

主な打ち手

助言中心のコンサルから、創業者の代わりに実務を担う代理店型へ早期に切り替え、アーンドメディア獲得を最優先で素早く動いた。

30秒で分かる

1元メディア人がPR会社で黒字発進。

創業初日から黒字

半年ほどで継続売上が大きな水準

9か月ほどで1人→15人

2狙いは広告より記事化だった

広告費で買う露出は追わない。

記者が「記事にしたい」と思う形を狙った。

知名度がなくても信用が乗りやすい。

3転機はPR相談の「即効性」

アクセラレーター参加中にPR相談を受けた。

助言だけでメディア露出が取れた。

必要としている創業者が多いと分かった。

4助言型から実働型へ切り替えた

2021年4月にHeadStartを立ち上げた。

当初は助言中心の想定だった。

でも創業者は忙しくて動けなかった。

「代わりに走る」形に変えた。

5速さと低コストで回した

打ち合わせを減らし、決めたらすぐ動く

リモート中心で、変化に合わせて切り替える

元記者らが提案精度と速度を上げる

オフィスなし、ツール最小、少人数で複数社支援

6この話の核心は物語の実装だ

物語は「いつか」ではなく創業初日から必要だ。

忙しい創業者には、助言より実働が効く。

速く回せる設計が、黒字と急成長を支えた。


ストーリーの流れ

Problem

スタートアップは商品や技術があっても「伝え方」が難しく知られないまま消えていくことがある。

  • 発信の必要性は分かっていても何をどう語ればいいのか分からない状況が起きる。
  • 忙しさで手が回らず不安や停滞感だけが積み上がっていく。
Insight

HeadStartは「PR会社を雇うには早すぎることがあっても物語を語るのが早すぎることはない」という思想を据えた。

  • 創業者の物語を言葉にしてメディアへ届けることを中核に置いた。
  • 創業者が忙しくて動けないなら代わりに走る前提で設計した。
Action

HeadStartは広告費で買う露出ではなくアーンドメディアの獲得に力を入れた。

  • 記者やメディアが「記事にしたい」と判断して取り上げる形を狙った。
  • 信頼できる媒体に出ることで知名度のない会社でも信用がつきやすいと捉えた。
  • 口コミやSNSの自然な広がりやニュース記事やブログ記事を重視した。
Insight

マイケルはニュース現場で燃え尽きた経験からPRへ向かい大企業PRの手応えの薄さも知った。

  • メディアの現場で緊張が続き心身が削られ最終的に現場を離れた。
  • ワシントンの大手PR会社で大企業案件も担当したが成果より作業になりやすい苦しさを感じた。
Insight

アクセラレーター参加中のPR相談がきっかけで創業者側に強い需要があると気づいた。

  • 自分の経験をもとに答えるとその会社はすぐにメディア露出を獲得した。
  • いい物語を持っていても言葉にできず誰にどう話せばいいか分からない創業者が多いと分かった。
  • 「PRは高いから無理」と諦めがちだがやり方次第で道は作れると捉えた。
Action

2021年4月にHeadStartを立ち上げ助言中心から実働する代理店型へ早期に方針転換した。

2021年4月HeadStart立ち上げ
  • 当初は助言で創業者が自分で動けるようにする想定だった。
  • 創業者が忙しすぎて実行できない現実を受けて「創業者の代わりに走る会社」へ変えた。
Growth

サイト公開直後の最初の成功が実績となり顧客が連鎖的に増え会社員を辞めて伸び方が変わった。

  • 宣伝もほとんどしていない段階で知り合いから「PRを手伝ってほしい」と依頼が来た。
  • 引き受けて早い段階で大きな露出を取ったことが次の顧客獲得につながった。
  • 1社が3社になり3社が5社になって生活できる見通しが立った。
Team

立ち上げから4か月ほどは1人で全業務を担い顧客が8社ほどになった段階で採用に踏み切った。

顧客が8社ほど採用判断の契機
立ち上げから4か月ほど1人運営期間
  • 営業も企画も記者への提案も顧客対応もすべて自分でこなした。
  • まず財務を見られる人を入れその後PR担当者を増やして仕事を分けた。
Scale

採用を加速して9か月ほどで1人の会社を15人のチームへ拡大した。

15人チーム規模
9か月ほど15人到達までの期間
  • 顧客増に合わせて採用と社内の仕組み作り直しが同時進行になった。
Action

従来型のように時間をかけすぎず打ち合わせを減らして決めたらすぐ動く運用を徹底した。

  • 従来型PRが案に何か月も賭けて失敗すると時間だけが過ぎるリスクを避けた。
  • スタートアップの資金調達や採用や顧客獲得の時間感覚に合わせ早い段階で取材につなげることを重視した。
Team

最初からリモート中心で元記者や元番組制作者を含む柔軟なチームを組んだ。

  • 方針転換やピボットに合わせて戦略を素早く切り替えられるようにした。
  • メディア側のニーズ理解が提案精度とスピードの向上につながった。
Monetize

オフィスを持たずツールを増やさず1社に大人数を張り付けない設計で価格を抑えつつ黒字を守った。

  • 専門担当者が複数社を並行して支援する形にした。
  • この設計が利益を出しやすくし創業初日から黒字のスタートにつながった。
Growth

創業初日から黒字で走り始め半年ほどで継続売上が大きな水準に届いた。

半年ほど継続売上到達まで
  • 物語を武器にして創業者の代わりに走るやり方が功を奏した。
Scale

外部資金を入れないまま顧客増に合わせて採用と仕組みの作り直しを迫られた。

  • 成長のスピードに追いつくことが最もきつかったと述べている。
  • 売上が落ちれば雇った人の生活に影響が出るため採用は重い決断になった。
Team

燃え尽きを避けるため週4日勤務を取り入れ休暇や病欠を取りやすい環境を整えた。

  • 起業家は休まず働き続けなければ成功しないという考え方を信じなかった。
  • 休まなければ燃え尽き成長どころではないという前提を置いた。
Insight

HeadStartは創業者の物語をできるだけ多く世の中に届く形へ変えることを使命に据えた。

100万人支援対象の規模
  • 語られるべき創業者が100万人いるなら100万人を助けたいと述べている。

いい商品や技術があっても、知られないまま消えていくスタートアップは少なくない。原因はシンプルで、「伝え方」が難しいからだ。

発信の必要性は分かっていても、何をどう語ればいいのか分からない。忙しさに追われて手が回らない。不安や停滞感だけが積み上がっていく。

そんな状況に真正面から向き合い、創業初日から黒字で走り出したPR会社がある。半年ほどで継続売上が大きな水準に届き、さらに9か月ほどで1人の会社が15人のチームになった。その裏側には、「物語」を武器にするやり方があった。

創業者の物語を世の中へ届けるPR会社が、短期間で一気に伸びた

スタートアップには、いい商品や技術があっても世の中に知られないまま消えていく会社がある。理由は単純で、「伝え方」が難しいからだ。

HeadStartは、その問題に正面から向き合うPR会社だ。創業者の物語を言葉にして、メディアへ届ける。会社を立ち上げたのはマイケル・スターン。

HeadStartの考え方はシンプルだ。「PR会社を雇うには早すぎることがあっても、物語を語るのが早すぎることはない」。創業者が忙しくて動けないなら、HeadStartが代わりに走る。

このやり方が功を奏し、HeadStartは創業初日から黒字で進んだ。始めて半年ほどで継続売上が大きな水準に届き、さらに9か月ほどで1人の会社が15人のチームになった。

広告じゃない注目を取りにいく

HeadStartが狙うのは、広告費で買う露出ではない。記者やメディアが「これは記事にしたい」と判断して取り上げる形だ。こうした露出は信頼されやすく、知名度のない会社でも信頼できる媒体に出ることで一気に信用がつく。

口コミ、SNSでの自然な広がり、ニュース記事、ブログ記事。こうした「自然に得られる注目」をアーンドメディアと呼ぶ。HeadStartはここに力を入れた。

スタートアップの初期は、資金も時間も足りない。だからこそ遠回りせず、早く結果につながる打ち手が必要になる。HeadStartは「まず動く」ことを優先した。

ニュースの現場で燃え尽き、PRへ向かった

マイケルの最初の仕事はメディアだった。大学で放送ジャーナリズムを学び、地元テレビ局で朝番組の制作責任者になった。

ただ、生活は過酷だった。毎日午前2時に起きる。感染症の流行が始まると、ニュース現場はさらに荒れた。緊張が続き、心も体も削られていった。最終的に燃え尽きて、現場を離れた。

次に入ったのは、ワシントンの大手PR会社。大企業の案件も担当したが、そこで感じたのは別の苦しさだった。大企業のPRは、成果よりも「とりあえずこなす作業」になりやすい。手応えが薄かった。

子どものころから、商売と発信が好きだった

マイケルはもともと、何かを作って広めることが好きなタイプだった。

小学生のころ、折り紙のカエルを学校で売った。学校新聞も作った。大学でもいくつか媒体を立ち上げた。

それでも卒業後は安全な道を選んだ。会社員として働くほうが、失敗が少ないと思ったからだ。

HeadStartの種は、ある助言から生まれた

転機は、別のスタートアップを共同創業してアクセラレーターに参加していたときに訪れた。そこで誰かにPRの相談を受け、マイケルは自分の経験をもとに答えた。

すると、その会社はすぐにメディア露出を獲得した。マイケルは気づいた。「これを必要としている創業者が、思った以上に多い」

いい物語を持っているのに、言葉にできない。誰にどう話せばいいか分からない。しかも「PRは高いから無理」と最初からあきらめる。だが現実には、必ずしも大金が必要なわけではない。やり方次第で道は作れる。

最初はコンサルのつもりだった。でも現実は違った

2021年4月、HeadStartを立ち上げた。最初の想定はシンプルだった。「助言をして、創業者が自分で動けるようにする」。

ところが現実は違った。創業者は忙しすぎる。助言をもらっても、実行する時間がない。求められたのはコンサルではなく、実働だった。

マイケルは早い段階で方針を変えた。助言中心から、手を動かす代理店型へ。HeadStartは「創業者の代わりに走る会社」になった。

サイト公開直後に最初の顧客が来た

HeadStartのサイトを公開して間もなく、知り合いから連絡が入った。「PRを手伝ってほしい」。

その時点で、マイケルはまだ本業の仕事も続けていた。宣伝もほとんどしていない。それでも引き受け、早い段階で大きな露出を取った。

その成功が実績になった。次の顧客が来る。1社が3社になり、3社が5社になる。生活できる見通しが立ったところで、マイケルは会社員を辞めた。そこから伸び方が変わった。

最初の数か月は、1人で全部やった

立ち上げから4か月ほど、フルタイムはマイケル1人だった。営業も企画も記者への提案も顧客対応も、すべて自分でこなす。外注する余裕もない。

顧客が8社ほどになったころ、限界が見えた。ここで初めて採用に踏み切り、まず財務を見られる人を入れ、その後PR担当者を増やして仕事を分けた。

採用は加速し、9か月で15人規模になった。

従来型PRと違う。スタートアップの時間感覚で動く

HeadStartが避けたのは、時間をかけすぎるPRだ。従来型のPR会社は、「この切り口でいける」と判断した案に何か月も賭けることがある。うまくいかなければ、そのまま時間だけが過ぎる。

スタートアップには、その余裕がない。資金調達、採用、顧客獲得。どれも待ってくれない。だからHeadStartは打ち合わせを少なくし、方向性を決めたらすぐ動く。早い段階で取材につなげることを重視した。

若くて柔軟なリモートチームが武器になった

スタートアップは、急に方針が変わる。ピボットを何度もする会社もある。HeadStartは最初からリモート中心でチームを組み、変化に合わせて戦略を素早く切り替えられるようにした。

チームには元記者や元番組制作者も多い。メディア側が何を求めているかを知っているため、提案の精度が上がり、動きも速くなる。

無駄なコストを削り、黒字を守った

スタートアップは大きな予算を組みにくい。HeadStartはそこを前提に設計した。

オフィスを持たない。必要以上にツールを増やさない。さらに、1社に大人数を張り付けない。専門担当者が複数社を並行して支援する形にした。

この設計で、価格を抑えながら利益も出しやすくなった。結果として、創業初日から黒字というスタートにつながった。

急成長は、飛びながら飛行機を組み立てる感覚だった

HeadStartの立ち上げは感染症の流行の最中だった。ただ、経済が底を打った時期を過ぎ、企業が支出を戻し始めたタイミングでもあった。リモートワークも当たり前になっていたため、働き方の説明に時間を取られずに済んだ。

それでも一番きつかったのは、成長のスピードに追いつくことだった。顧客が増えるたびに採用が必要になり、社内の仕組みも作り直す。まさに飛びながら飛行機を組み立てるような状態が続いた。

しかもHeadStartは外部資金を入れていない。採用は重い決断になる。売上が落ちれば雇った人の生活に影響が出る。そのプレッシャーは、経営者の心を確実に削っていく。

「働き詰めが正解」を疑った

マイケルは、起業家は休まず働き続けなければ成功しないという考え方を信じなかった。

休んでも会社は消えない。むしろ休まなければ燃え尽きる。燃え尽きれば、成長どころではない。ニュースの現場でそれを身をもって経験していた。

だからHeadStartは働く環境づくりにも力を入れた。週4日勤務を取り入れて3連休を作れるようにし、休暇や病欠も取りやすくすることで、必要なときに心身を整えられる仕組みにした。

目標は、創業者の物語をできるだけ多く届けること

マイケルは、学生時代に安全な道を選んだ自分を振り返る。もっと早く挑戦してもよかった。今はそう思う。

HeadStartの使命は明確だ。語られるべき創業者が100万人いるなら、100万人を助けたい。創業者の物語を、世の中に届く形に変える。それがHeadStartの仕事だ。